0歳児9月の月案の書き方や見本〜 一人一人の体調に合わせながら快適に過ごせるようにする〜

この記事のURL&タイトルをコピーする




保育園で使える、0歳児の9月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。

ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。

また、個人案(個別指導案)についても掲載しています。

保育の指導計画作成にお役立てください。

ねらい

  • 気温の変化に留意して、ひとりひとりの体調に合わせながら快適に過ごせるようにする。
  • 安心して遊べる環境のなかで、体を動かして遊ぶ楽しさを感じる。
  • 保育者の仲立ちのもと、友達と一緒に過ごす楽しさを味わう。
  • 保育者の語り掛けによって、発語へ向けた土台を築く。

前月の子どもの姿

  • 1日のなかで機嫌よく過ごせる時間が増えてきている。
  • おむつが汚れたときは、しぐさや表情で知らせようとする。
  • 特定の保育者でないと人見知りをして泣くことがある。
  • 他児の遊ぶ様子を見たり、顔に触れてみようとする。
  • 水あそびでは、自分から水に触れて遊ぶことを楽しんでいる。
  • 喃語が盛んになってきている。
  • 保育者が「バイバイ」と手を振ると、まねをする。

内容

養護

  • 夏の疲れが出る時期なので、ひとりひとりの体調の変化に留意し、ゆったりと過ごせるようにする。
  • あせもやおむつかぶれにならないようこまめに着替えを行い、皮膚を清潔に保てるようにする。
  • 安心できる保育者との関係を基盤にして、他児とも関わっていけるようにする。

教育

  • 保育者にそばでついてもらうことで安心して眠る。
  • ハイハイやつたい歩きで探索行動を楽しみ、興味をもったものに触れようとする。
  • 好きな遊びを楽しむ中で、友達の遊ぶ姿に興味をもち関わろうとする。
  • 水あそびに慣れ、自分からじょうろやカップを使って水をすくったりして遊ぶ。
  • 散歩や園庭探索に出かけ、外気や風を感じる。
  • お気に入りの絵本をくり返し読んでもらうことを楽しむ。
  • 喃語や片言で保育者に欲求を伝えようとする。
  • 砂で小さな山をつくったり、それを崩して遊ぶ。
  • 歌や手あそびを楽しむ。

環境構成と配慮

養護

  • ひとりひとりの健康状態や生活リズムに合わせて、無理なく活動できるようにする。
  • 室内外の気温差に留意しながら冷房の温度調節を行い、快適に過ごせるようにする。
  • 自分の欲求を安心して出せるように、ひとりひとりとていねいに関わったり、スキンシップをとることで信頼関係を築く。

教育

  • 静かで安心して眠れる環境を整え、目が覚めた子から離れた場所で過ごすことで、他の子の睡眠を妨げないようにする。
  • ハイハイや伝い歩き、歩行など個々の発達に合わせて全身運動を安全にのびのびと楽しめるように、ソフトマットや手すりなどを配置してあそびの空間を分ける。
  • 子どもの好きな玩具をあえて移動して届く場所に置くことで、身体活動を促していけるようにする。
  • 友達を噛んだりしたときは、気持ちを受け止めながら表情や言葉でいけないことだとその都度ていねいに伝えていく。
  • 好きなあそびを楽しむなかで、他児に興味をもっているときは、保育者が仲立ちをすることで関わって遊ぶ楽しさを感じられるようにする。
  • 水あそびでは水の感触を十分楽しめるように、遊び方や道具を工夫する。
  • ひとりひとりの水あそびの様子を見ながら、そばについて援助をすることで興味や関心を広げていけるようにする。
  • 散歩や園庭探索では物の名前を知らせたり、保育者と一緒に草花に触れて楽しめるようにする。
  • 絵本を膝の上で読む機会をつくる。
  • 喃語や発語のタイミングを逃さず、ゆったりと聞いたり話したりして受け止めていく。
  • 保育者のしぐさを模倣する姿が見られたら、一緒になって楽しむ。

0歳児9月の個人案

前月の子どもの姿

Aちゃん(7か月)

  • はいはいでの行動範囲が広がってきている。
  • 気になった玩具のところへ行き、手に取って口に入れようとする。
  • 睡眠をしっかりと取れるようになってきた。

Bくん(10か月)

  • つかまり立ちができるようになってきたが、手すりや柱につかまり損ねて転ぶことがある。
  • ミルクの量が少しずつ減ってきている。
  • これまでより表情が豊かになり、保育者に喃語で話しかける姿が見られるようになった。

Cちゃん(1歳2か月)

  • 歩けるようになってきたが、甘えたいときは抱っこをせがむことがある。
  • 段差や高いところに興味を示している。
  • 友達に興味をもち、関わってみようとしている。

内容

養護

Aちゃん(7か月)
  • 保育者に見守られている安心感のなかで過ごし、生活リズムを安定させていけるようにする。
  • 欲求を受け止めてもらうことで、安定した情緒で過ごせるようにする。
Bくん(10か月)
  • 保育者の見守りのなか、満足できるまで遊んだり眠ったりできるようにする。
  • 保育者や他児との関わりを喜び、安心して自分の欲求を出せるようにする。
Cちゃん(1歳2か月)
  • 適度に休息を取りながら、戸外で体を動かして遊ぶ楽しさや気持ちよさを感じられるようにする。
  • 気持ちや欲求をていねいに受け止めてもらうことで、安心感をもって過ごせるようにする。

教育

Aちゃん(7か月)
  • 戸外や室内でのびのびと探索活動を楽しむ。
  • 保育者の歌や手あそびからリズムを感じ、心地よい雰囲気を楽しむ。
  • 保育者の言葉がけに笑顔で反応したり、喃語や指差しで応えようとする。
Bくん(10か月)
  • はいはいやつかまり立ちで気になったところへ移動して、行動範囲を広げていく。
  • 保育者に仲立ちをしてもらうことで他児と関わりをもち、自分の思いを表現しようとする。
  • 手あそびや絵本の読み聞かせを楽しむなかで、保育者の言葉のリズムや声を心地よく感じ、言葉の芽生えにつながっていく。
Cちゃん(1歳2か月)
  • 保育者に仲立ちをしてもらい、他児と関わって遊ぶことを楽しむ。
  • 流れている音楽や保育者の歌を聞いてリズムを感じ、保育者のまねをしながら体で表現しようとする。
  • 絵本を読んでもらうことに楽しさを感じ、言葉を理解する基礎ができていく。

環境構成と配慮

養護

Aちゃん(7か月)
  • 生活リズムを把握し、様子を見ながら必要に応じて午前睡を行い、ゆっくりと眠れるようにする。
  • 1対1でスキンシップや触れ合いあそびを楽しむことで信頼関係を築き、心地よさや安心感をもてるようにする。
Bくん(10か月)
  • 安心してゆっくりと眠ったり、意欲的に遊べるように安全な環境を整える。
  • 子どもとていねいに関わり信頼関係を築くことで、自分の欲求を出せるようにする。
Cちゃん(1歳2か月)
  • 活発に歩いて回れるよう安全な環境を整え、のびのびと体を動かして遊ぶ楽しさを感じられるようにする。
  • 子どもの気持ちを代弁しながらゆったりと関わり、ていねいに受け止めながら共感することで安心できるようにする。

教育

Aちゃん(7か月)
  • 衛生的で安全なスペースを整え、満足いくまでハイハイで移動することを楽しめるようにする。
  • 保育者が楽しくうたったり手あそびをする姿を見ることで、興味を引き出していけるようにする。
  • 保育者が笑顔で優しく言葉がけをすることで、発語を促していけるようにする。
Bくん(10か月)
  • 安全な環境でハイハイが十分にできるスペースをつくり、発達に合った興味を引く玩具を用意することで、意欲的に遊べるようにする。
  • 満足いくまでスキンシップをとったり、安心して人と関われる雰囲気づくりをする。
  • 発達や興味に合った絵本を用意して、膝の上など落ち着いた雰囲気のなかで読み聞かせを楽しめるようにする。
Cちゃん(1歳2か月)
  • 指差しや喃語で思いを伝えようとする気持ちを受け止め、共感することで言葉の習得につなげていけるようにする。
  • 子どもが保育者のまねをしやすい動きや、リズムに乗りやすい歌を用意する。
  • 落ち着いた雰囲気のなかで保育者の読み聞かせを楽しめるように、座り方や読み方、絵本選びを工夫する。

食育

  • 離乳食に慣れ、保育者や友達とおいしく食事をする。
  • 保育者をまねしながら噛む練習をする。
  • 保育者や友達との食事の時間を楽しみにする。
  • 保育者が「もぐもぐ」と言いながら噛む姿を見て、まねしようとする。
  • おなかがすく感覚を感じられるように、言葉がけを工夫していく。
  • ひとりひとりの咀嚼力や食事の量を把握し、無理なく食べられるようにする。

家庭との連携

  • 気温差が激しくなるため、体調や気温に応じて衣服を調節できるように協力をお願いする。
  • 日々の様子や成長する姿をこまめに伝えあい、共に喜んだり話し合うことで、信頼関係を築いていけるようにする。

職員との連携

  • 個々の発達に合わせて水あそびを楽しめるように、活動内容を職員間で話し合う。
  • 行動範囲が広がってくるため、職員間で連携を図りながら安全に子どもの探索活動を見守っていけるようにする。

評価・反省

  • 気温の差が激しくなってきたため、体調を崩すことのないように注意して見守った。ほとんどの子が水あそびを休むことなく楽しむことができ、水に慣れ親しむことができてよかった。
  • これまでよりも行動範囲が広がったり、指先を使って遊べるようになったりとできることが増えてきている。ひとりひとりの興味に合わせながら玩具を用意したり関わっていくことで、さまざまなことに興味をもっていけるようにしていきたい。
  • 他児に興味をもち始めたことで噛みつきなどのトラブルも増えてきた。ていねいに関わりながら、仲良くあそぶにはどうしたらいいのか繰り返し知らせていきたい。

 


\ みんなに教えよう /

この記事のURL&タイトルをコピーする