保育園で使える、2歳児の6月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
ねらい
- 梅雨期の保健衛生に留意し、気持ちよく過ごせるようにする。
- 保育者に仲立ちをしてもらいながら、気の合う友達と遊ぶことを楽しむ。
- 雨の日の自然事象に興味を持つ。
前月の子どもの姿
- 1日の生活の流れがだいたいわかり、身の回りのことを自分でやろうとする。
- 友達との関わりのなかでトラブルになることもあるが、簡単な言葉のやり取りをしながら仲良く遊べるようになってきた。
- 戸外あそびや散歩に出掛けると、草花や虫に興味を持ち、見たり触れたりして楽しんでいる。
- 簡単なストーリーのある絵本や紙芝居を見ることを楽しんでいる。
- 保育者や友達と一緒に歌ったり、体操をして体を動かすことを喜ぶ。
内容
養護
- 保育者に見守られながら、清潔習慣が身に付くようにする。
- 戸外あそびができない寂しさを受け止めながら、室内でできる運動あそびを一緒に楽しむことで気持ちを発散できるようにする。
- 保育者に思いを受け入れてもらうことで、安心して自分らしさを表出していけるようにする。
教育
- 手洗いや歯みがきの気持ちよさがわかり、自分からしようとする。
- 簡単な衣服の着脱を自分でしようとする。
- 尿意や便意を自分から保育者に伝え、一緒にトイレに行く。
- 玩具の貸し借りをしながら友達と仲良く遊ぶ。
- 友達との関わりのなかで相手にもさまざまな思いがあることに気付く。
- 絵本や紙芝居、雨上がりの戸外あそびを通して梅雨期の自然事象に興味を持つ。
- ままごとやごっこあそびを楽しむなかで、友達との言葉のやり取りを楽しむ。
- 絵本のなかに出てきた言葉を、あそびや生活に取り入れて遊ぶことを楽しむ。
- 季節の歌をうたったり、季節の製作を楽しむ。
- 粘土や製作など手先や指先を使ったあそびを楽しむ。
環境構成と配慮
養護
- 気温や湿度に応じて、扇風機やエアコンを利用することで快適に過ごせるようにする。
- 汗をかいたらこまめに拭いたり、着替えることで体調を崩さないよう配慮する。
- 自分で鼻水を拭けるように使いやすい場所にティッシュを置き、清潔の習慣が身に付くようにする。
- 外で思い切り体を動かして遊べない分、室内で十分な場所を確保してのびのびと遊び、気分を発散できる機会をつくる。
- 自分で身のまわりのことをしようとする姿を認め、自信に繋がるように声を掛ける。
教育
- 保育者と一緒に歯みがきをして、気持ちよさに気付けるように言葉掛けをする。
- 歯みがきをする際の流れや約束を繰り返し伝え、安全に行えるようにする。
- 絵本や紙芝居を通して、歯みがきや手洗いの大切さをわかりやすく伝える。
- 自分で衣服の着脱をしやすいように、衣類を配置しておく。
- 着替えに時間が掛かっても温かく見守り、自分でできた満足感を味わえるようにする。
- 安心してトイレで排泄ができるように、ひとりひとりに合わせて援助して自信を持てるようにする。
- トイレの使い方をくり返していねいに知らせていく。
- 集団でのあそびや生活のなかでルールがあることを知らせ、気持ちを受け止めながら受け入れていけるようにする。
- 保育者が仲立ちをしながら「かして」「いいよ」の言葉のやり取りを通して、友達と仲よく遊ぶ体験ができるようにする。
- 梅雨期の自然に興味が持てるように、雨上がりに外に出る機会をつくる。
- 子どもの発見に十分共感し、ひとりひとりの思いを受け止める。
- 絵本や紙芝居を読む際は、読む環境や読み方を工夫し、より楽しめるようにする。
- 言葉の楽しさを感じられるように、繰り返しのある絵本を用意する。
- 指先を使って遊ぶ玩具やコーナーあそびを用意する。
- 保育者が粘土で遊ぶ姿を見せることで、遊び方や楽しさに気付けるようにする。
- 季節の歌や、歌詞に合った振りを用意する。
食育
- 身近な食に興味を持つ。
- 正しい食器やフォークの持ち方を身に付ける。
- さまざまな味があることに気付き、喜んで食事をする。
- 正しい食具の使い方で食べようとする。
- 言葉や表情で「あまい」「すっぱい」などの味覚をわかりやすく知らせる。
- ひとりひとりの様子を見ながら、繰り返し食具の使い方を知らせていく。
家庭との連携
- 夏に流行する感染症や予防策についての情報をおたよりで知らせる。
- 歯科検診の結果を伝える。
- 気温差が大きいため、着脱しやすい衣服の用意をお願いする。
職員との連携
- 子どもの居場所や行動を把握し、保育者間で声を掛け合って安全に遊べるように見守る。
- 固定遊具で遊ぶ際は、すぐに手を差し伸べられるようにそばで見守る。
評価・反省
- 自分から手を洗ったり、鼻水を拭けるようになってきている。自分でやろうとする姿をたくさん褒めて習慣にできるようにそばで見守っていきたい。
- 気温の変化からか排泄を失敗することもあるが、自分から尿意や便意を伝えられるようになってきた。やる気を損なわないように温かく見守り、声を掛けながら成功体験を増やしていきたい。
- 友達と言葉のやり取りを楽しんだり、玩具の貸し借りをしながら仲良く遊べるようになってきた。トラブルになることがあっても、さまざまな経験を通して関わり方やルールに気付いていけるように援助していきたい。