保育園で使える、5歳児の7月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
ねらい
- 夏期の保健衛生に留意し、心身共に健康的に過ごせるようにする。
- 友達との生活の中で決まりの大切さに気付き、守って過ごそうとする。
- 友達と一緒に夏ならではの行事やあそびを思い切り楽しむ。
- 夏の自然事象や生き物に触れるなかで、その不思議さやおもしろさに興味や関心を持つ。
前月の子どもの姿
- 自分から汗を拭いたり、水分補給をして過ごす姿が見られるようになってきた。
- 仲間意識が芽生え、友達と一緒に1つのことに対して積極的に取り組む姿が見られる。
- 泥や水での感触あそびを楽しんでいる。
- 絵本や紙芝居の内容に興味をもち、友達と役になりきることを楽しんでいる。
内容
養護
- ひとりひとりの健康状態に留意し、快適に過ごせるようにする。
- 静と動のバランスが取れた生活ができるようにする。
- 自分の思いを相手に受け止めてもらうことで、安心して過ごせるようにする。
教育
- 健康な体づくりと生活の仕方の関係がわかり、水分補給や休息、身の回りを清潔にしようとする。
- プールあそびなどを通して思い切りからだを動かして遊ぶことを楽しむ。
- あそびや集団での生活のなかで約束事がわかり、守ろうとする。
- 異年齢の友達と関わって遊ぶなかで、5歳児としての自覚や思いやり、親しみの気持ちを持つ。
- プールあそびの身支度や後始末を自分でする。
- 七夕を通して、星や宇宙の美しさ、不思議さに興味を持つ。
- 野菜の生長に気付き、収穫することを楽しむ。
- 昆虫の飼育を通して思いやりの気持ちを持ち、責任をもって育てる。
- 友達と話し合いながら、自分たちなりに工夫してあそびを展開していく。
- 「がんばれ」「すごいね」など様々な言葉で、友達を励ましたり応援したりする。
- 友達と一緒に歌ったり、音楽に合わせて踊ることを楽しむ。
- 様々な素材や用具を使って、イメージを膨らませながら描いたり作ったりすることを楽しむ。
環境構成と配慮
養護
- 天候や気温の変化に応じて保育室内の温度を調節して、快適に過ごせるようにする。
- 休息や水分補給の大切さ、熱中症の危険性を知らせ、自分で意識できるようにする。
- 遮光ネットを張ることで日陰をつくり、安心して休息できる環境を整える。
- 友達と関わるなかで、相手の良さに気付けるような言葉掛けをする。
教育
- 自分の身の回りの清潔を意識することが、健康な体づくりにつながることを知らせていく。
- プールの際は、男女ごとに分かれて身支度ができるように環境を整える。
- ダイナミックにプールあそびを楽しめるように、遊具やゲームを用意しておく。
- 約束事を繰り返し伝え、安全に楽しくプールあそびができるようにする。
- 水に抵抗のある子は、少しずつ水に慣れていけるように配慮する。
- プールの水温や消毒の管理をこまめに行う。
- 異年齢の子と協力して1つのことをやり遂げる達成感や喜びを感じられるように配慮する。
- 年下の子どもにできないことは、優しく教えてあげられるように伝え、親しみをもって関われるように配慮する。
- 星や宇宙に関係する絵本や図鑑を用意する。
- 絵本や紙芝居を通して七夕の由来を伝え、願いを込めながら笹に飾り付けができるようにする。
- みんなで責任をもって野菜の世話をしたことで収穫できたことを伝え、喜びを共有しながら収穫の時間を楽しめるようにする。
- 飼育ケースを用意し、生き物を飼育できる環境を整える。
- クラスで意見を出し合ったり、図鑑で調べて昆虫の育て方を考え、責任をもって育てていけるようにする。
- 子どもたちが話し合って決めた内容であそびが展開していけるよう、必要なものはできるだけ用意する。
- 歌をうたう際はイメージを膨らませながらうたえるように、歌詞を書き出して掲示する。
- 自由に製作を楽しめるように、十分な素材や用具を準備しておく。
食育
- 食事のマナーに気をつけて食べる。
- 食べることの大切さがわかり、残さず食べようとする。
- 正しい食器の置き方や箸の使い方を知る。
- 健康な体づくりには食事が欠かせないことを知り、バランスよく食べようとする。
- 正しい食器の置き場所を絵で示し、意識できるようにする。
- 自分たちで育てた野菜の収穫を喜び、楽しい雰囲気で食べられるようにする。
家庭との連携
- おたよりを通して夏期に流行しやすい感染症や食中毒について知らせ、予防や適切な対応を呼び掛ける。
- プールあそびに伴い、毎朝の検温や健康チェックをお願いする。
職員との連携
- プールあそびが安全に行われるように、消毒の管理や活動の流れなどを話し合って共有しておく。
- 他クラスの担任と話し合い、異年齢児と関わって遊ぶ機会をつくる。
評価・反省
- 気温の高い日が続いたが、こまめに水分補給をとったり、汗を拭くように繰り返し呼びかけたことで習慣になり、体調を崩すことなく過ごすことができた。
- 水の危険性や準備体操の大切さを知らせたり、約束事を繰り返し確認したことで、子どもたちは気を付けながらも楽しんでプールあそびができた。
- プールあそびのなかで苦手なことにも一生懸命取り組む姿が見られ、その友達を応援する姿も見られた。それぞれ得意なことや苦手なことがあるなかで、ひとりひとりの頑張る姿やできたことに目を向け、自信につなげていけるようにしたい。