保育園で使える、3歳児の1月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの様子や子どもの姿、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
全体のねらい
- 感染症に気をつけ、寒い冬を元気に健康に過ごせるようにする。
- 身の回りのことを自分からすすんでできるようになり、冬の生活の仕方が身に付く。
- 食事や衣服の脱着などを自分で見通しを持ってできるようにする。
- 簡単なルールの正月遊びをして、友達と遊ぶ。
- 冬の自然に親しみながら、体を動かして外で遊ぶ。
- 雪や氷などの冬の自然と触れ合い、興味を持つ。
- 個別の課題や成長を把握し、進級を意識した保育をする。
- 異年齢児と自然な交流をし、刺激を受けながら遊ぶ。
- 自分の思いを伝えようとしながら、友達と関わる。
前月の子どもの様子
- 自分からすすんで身の回りの始末をしようとする。
- 自分で衣服の調節をしようとする。
- お遊戯会やクリスマス会で歌や踊りをし、やり遂げたという達成感や満足感を味わう。
- 動きや言葉で自分の思いを表して、気の合う友達と遊ぶ。
- 自己主張が増え、お友だち同士のトラブルがおきる。
- 気の合うお友だちを自分から誘って、楽しく遊ぶ。
子どもの姿
- 自分からすすんで、衣服の調節をするようになる。
- 自分で身の回りのことができたら、保育者に「みてみて」と嬉しそうに見せてくる。
- 自分でていねいに手洗い、うがいをする。
- 寒さから、手洗いうがいをきちんとしない子どもがいる。
- 鏡開き、もちつき、しし舞を体験する。
- 絵合わせカード、けん玉、羽根突き、こま回しなどの正月遊びを友達や保育者と楽しむ。
- 伝統行事に興味を持つことができるように、正月の歌を歌って楽しむ。
- 冬は、水や風が冷たいことや、吐く息が白くなることを知る。
- 雪や氷や霜柱に見たり、触れたりすることで、冬の自然に興味を持つ。
- 友達や保育者に、自分が発見、経験したこと、楽しかったことを喜んで話す。
- 保育者に自分の思いを伝えることで、安定した生活ができる。
- 遊びに必要なものを、身近な素材をつかって作ることを楽しむ。
- 好きな絵本を何度も繰り返して見たり、聞いたりする。
環境と配慮・援助
養護(内容)
- 子どもが快適に過ごし、活動できるように、外と室内との気温差に注意し、衣服の脱着や部屋の換気などをして調節する。
- 子どもひとりひとりの体調やその日の気温にあわせて、衣服の調節をするように、子どもに声かけをする。
- 子どもが自分からすすんで、ていねいに手洗いうがいをしようとする姿を認めて褒める。
- 自分でやろうという気持ちにならない子どもには、意欲的に取り組めるように、保育者は励ましたり、援助の仕方や声かけを工夫する。
- 子どもが自信を持って納得して活動に取り組めるように、子どもの話や問いかけを保育者はきちんと聞き入れる。
- 達成感や満足感を子どもが感じられるように、自分でしたい気持ちや自分でできたという気持ちを受け入れる。
- 楽しさ、嬉しさ、自分の思いどおりにならない悲しさをなど、さまざまな感情を受け止めるようにする。
- 安心感を持って過ごせるように、ひとりひとりの欲求を満たせるようにする。
- ハンガーに上着をうまく掛けられない子どもには、ていねいに掛け方を伝えながら手助けをする。
- インフルエンザや風邪、おう吐や下痢などの感染予防のために、室内の換気を頻繁に行ったり、温度や湿度に気を配る。
- ひとりひとりの子どもの健康観察をていねいに行い、体調を把握しながら病気の早期発見をできるようにする。
- 保育者は子どものイメージにあった動きや言葉をつかって、子どもといっしょにごっこ遊びをすることで、子どもが満足感を感じられるようにする。
- 遊びの幅が広がるように、子どもの様子に合わせて、遊び道具を提案する。
- 「北風小僧の寒太郎」や「こんこんくしゃんのうた」などのリズムにのりやすい曲や、冬の歌を選び、みんなで楽しめるようにする。
- 年上の子どもたちと仲良く遊べるように、羽根つき、けん玉、こま回しなどを保育者がお手本を見せて楽しみ方を伝える。
- 自分の思いをうまく伝えられないことで子ども同士のトラブルがおきたときは、保育者は子どもの言葉を補い、気持ちを表す手助けをして伝えられるようにする。
- 延長保育のときは、年長児に遊び方を教えてもらう姿を見守り、一緒に楽しんで遊べるように手助けをする。
環境構成
- 子どもが正月の雰囲気や冬の伝統行事を感じることができるように、室内の装飾を変えるなど工夫をしておく。
- 正月の飾りや、しし舞などを壁面や玄関、保育室の入り口に用意する。
- 正月の雰囲気を楽しめるように、鏡開きやもちつきを体験できるように用意する。
- 寒さに負けずに楽しんで遊べるように、外遊びの玩具を用意する。
- 冬の自然に触れ合えるように、氷や霜柱ができる場所を保育者が把握しておく。
- 延長保育では、異年齢児と一緒に楽しめるような正月遊びやカルタなどを用意しておく。
- 寒い日は、室内でのんびりと過ごせるように、紙芝居や絵本を用意しておく。
- 換気や室温に気を配りながら、暖房を使用する。
- 外と室内の温度をチェックし、こまめに室内の温度設定を行うようにする。
- 安全に過ごせるように、暖房器具の点検を行う。
- 子どもが自分で防寒具の出し入れをしやすいように、防寒具を掛ける場所を決めておく。
- 色分けや記名をしたハンガーを用意し、決まった場所に上着を掛けられるようにする。
教育
- 遊びを通して、伝承遊びや日本の文化を伝える。
- 正月ならではのあいさつを教える。
- 保育者は、伝承遊びがおもしろいものだと子どもが感じられるように遊び方を工夫する。
- 「かごめかごめ」「はないちもんめ」などの簡単なルールのある遊びや、「アルプス一万尺」などの触れ合い遊びを取り入れ、友達と楽しめるようにする。
- みんなで遊ぶ楽しさを感じることができるように、外に出てかけっこや鬼ごっこをして遊ぶ。
- 外で体を動かして遊ぶことで、体が温まる心地よさを感じることができるようにする。
- 雪が降ったときは、雪や氷に見たり、触れたりできる機会を増やすようにする。
- 外で霜柱を見たり、息を吐くと白くなることを子どもが知ることで、冬の自然に興味を持てるように外に出て遊ぶようにする。
- 手洗いうがいの大切さを子どもに繰り返し教える。
- お友だちとの関わりのなかで、譲ったり、我慢したりできたときは子どもの自信につながるようにするために、できたら褒める。
- 友達との思いの違いに気づき、葛藤する気持ちを十分に受け止め、認めることで、子どもの自己肯定感を高めていけるようにする。
食育
- 食器の正しい置き方を分かるようにするために、絵カードや写真をつかう。
- 紙芝居や絵本をつかって、食事の配ぜんの仕方が分かるようになる。
- もちつきをしたり、おせち料理の話をして、正月の伝統的な食事に興味を持つことができるようにする。
- 楽しく食べられる雰囲気作りをし、ひとりひとりの好みに合わせるようにし、好き嫌いがあっても無理強いはしない。
- 好き嫌いなく何でも食べることが、風邪の予防になり、元気に過ごせるということを伝える。
- 食事の量を子どもひとりひとりに合わせて調節する。
家庭との連携
- 年末年始の休み明けは生活リズムが乱れやすいので、早寝早起きをし、生活リズムを整えてもらうようにお願いする。
- 遊びのきっかけになるように、年末年始の家庭での様子や楽しんだこと、経験したことを保護者から教えてもらう。
- インフルエンザ、風邪、おう吐、下痢などの感染症の予防の仕方や症状について伝える。
- 園の欠席状況を掲示などでこまめに伝える。
- 子どもの体調変化が少しでもあったときは、こまめに連絡をしあうようにする。
- 子どもが自分で調節しやすく、動きやすい服装にしてもらえるように伝える。
- 寒いからといって、厚着になりすぎないようにお願いする。
職員との連携
- 子どもそれぞれの家庭での正月遊びの経験をふまえ、子どもが共通して遊べる遊び方を考えておく。
- 正月の雰囲気を感じ、楽しめるように、遊び方を話し合っておく。
- 年末年始の休み明けは、体調を崩す子どもがいるので、ひとりひとりの体調の変化にすぐに気づくことができるよう、注意する。
- インフルエンザ、風邪、おう吐、下痢などの感染症の予防の仕方を考えて、共有しておく。
- 室内の換気を行うタイミングを話し合い、実行できるようにしておく。
評価・反省
- 友達と保育者がいっしょに正月遊びをすることで、子どもは正月の雰囲気を楽しみ、興味を持つことができた。
- 保育者が子どもといっしょに外で遊ぶことで、冬の自然に興味を持ち、楽しむことができた。
- もちつきでは、もちをうつ様子を見て、みんなで「よいしょ、よいしょ」のかけ声をかけて、楽しく参加することができた。
- 身の回りのことを自分でできたときは積極的に褒めるようにし、子どもが自信を持てるように心掛けた。