保育園で使える、3歳児の5月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
ねらい
- 登園を喜び、保育者や友達と安心して過ごせるようにする。
- 身の回りのことを促されながら自分でしようとする。
- 保育者や気の合う友達と好きなあそびを一緒に楽しむ。
- 身近な自然に興味を持ち、見たり触れたりして楽しむ。
- 保育者や友達との会話を楽しむ。
前月の子どもの姿
- 新しい環境にも少しずつ慣れ、身の回りのことは自分でできるようになってきている。
- トイレでの排泄の仕方が不得手な子がいる。
- 自分の好きなあそびを楽しんでいるが、友達のあそびにも興味を持っている。
- 戸外で花を摘んだり、虫に触れて遊ぶ姿が見られる。
- 挨拶や質問を盛んにするようになった。
内容
養護
- 連休明けで心身の疲れが出やすいため、ひとりひとりの健康状態に留意し、安定した生活を送れるようにする。
- ひとりひとりの思いを受け止め、信頼関係を築くことで安心して過ごせるようにする。
- 持ち物の片付け、着替え、排泄を保育者の手伝いのもと自分でしようとする。
- 身の回りのことを自分でやろうとする姿を認められることで、意欲的にやろうとする気持ちが育つようにする。
教育
- トイレの使い方を知り、自分のタイミングで行こうとする。
- 戸外で十分に体を動かして遊ぶ。
- 保育者や友達と一緒に好きなあそびを見つけて楽しむ。
- 保育者と一緒に遊んだ後の片づけをする。
- 園庭探索や散歩に出掛け、虫や草花を見たり触れたりして遊ぶ。
- 自分の思いや欲求を保育者に言葉で伝えようとする。
- 気持ちのよい挨拶や返事をする。
- 連休の出来事を保育者や友達に伝えて楽しむ。
- 絵本や紙芝居を読んでもらうことを楽しむ。
- 歌ったり、音楽に合わせて体を動かすことを楽しむ。
環境構成と配慮
養護
- 快適に過ごせるように、清潔で明るい保育室の環境づくりをする。
- 連休前の生活リズムに無理なく戻していけるように配慮する。
- 子どものペースを大切にして、ゆっくりと過ごせるように活動内容を考える。
- ひとりひとりに合った言葉掛けをして、スキンシップを取ることで安心感を持てるようにする。
教育
- トイレの使い方の手順を絵や写真で表示し、掲示しておく。
- 1人でトイレに行くことが不安な子は一緒に行き、我慢することがないようにする。
- 戸外で好きなあそびを十分楽しめるように、十分な場所や時間、道具を用意しておく。
- 固定遊具や道具の安全点検をする。
- 固定遊具の安全な遊び方を繰り返し伝えていく。
- あそびのなかでトラブルになった際は、保育者が仲立ちとなり、互いの気持ちを受け止めながらわかりやすく伝えていく。
- 体を動かして友達と遊ぶ楽しさを感じられるように、保育者が中心となりかけっこやおにごっこなどの運動あそびに誘う。
- 玩具を片付ける場所がわかるように、棚に種類ごとに写真を貼る。
- 片付けの時間には決まった音楽をかけ、気持ちを切り替えて片づけに移れるようにする。
- 園庭探索や散歩に出掛け、自然に触れる機会を多く取っていく。
- 身近な自然に興味を持てるように、季節の図鑑や絵本を用意する。
- 子どもが自分の思いを話しやすいようにゆったりとした雰囲気作りをする。
- 子ども達の興味に合わせた絵本を用意する。
- 読み聞かせをするときは、子どもが落ち着いて話に集中できるように座る位置に配慮する。
- 季節感のある歌や歌いやすい曲を用意する。
- 保育者自身も楽しく歌ったり、体を動かして表現の楽しさを伝える。
食育
- 保育者や友達との食事を楽しむ。
- 食事のマナーがわかり、自分で気を付けようとする。
- 箸や食器の持ち方、三角食べなどの食事のマナーを知る。
- 保育者や友達との食事を喜び、意欲的に食べる。
- マナーに気を付けながらゆっくり食べられるように、十分な時間を確保する。
- 食べられた際は十分に褒めて、意欲が出るように声を掛ける。
家庭との連携
- 心身共に疲れが出やすい時期であるため、送迎時などに子どもの様子を互いに伝え合い健康状態を把握する。
- 気温の変化で汗をかくことがあるため、着替えの点検をお願いする。
- 懇談会では保護者の願いや気持ちを受け止め、信頼関係を築くと共に、これからの保育の手がかりにしていく。
職員との連携
- 懇談会で配布する資料や、話す内容の共通理解をしておく。
- アレルギーのある子どもは、事前に栄養士と対応を話し合う。
評価・反省
- 自分の身の回りのことを進んでやろうとするが、個人差も出てきているため、ひとりひとりに合わせて援助の範囲を減らしながら関わった。自信のない子も、できた時に一緒に喜んだり、言葉を掛けることで自信が出てきてより意欲的になれた。
- 戸外あそびでは友達と一緒に体を動かして遊ぶ姿が増えてきた。関わる中でトラブルになることもあったが、保育者が仲立ちすると互いに納得し、また仲よく遊ぶことができるようになった。
- 連休明けの登園では、連休中の出来事を楽しそうに報告してくれる子が多く、いつもは控えめな子もたくさん話してくれて安心してくれていることを感じた。保育者に自分の気持ちを伝えやすい環境づくりを大切にしていきたい。