保育園で使える、5歳児の4月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの様子や子どもの姿、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
全体のねらい
- 保育者との信頼関係のもと安心して過ごせるようにする。
- 新しい環境に慣れ、身の回りのことを自分でする。
- 進級を喜び、友達や保育者と好きな遊びを一緒に楽しむ。
- 春の訪れを感じ、自然に興味や関心をもって関わる。
前月の子どもの様子
- 年長になることに喜びや期待を抱き生活している。
- 新たな環境を迎えることで落ち着かない様子の子どももいる。
- 子ども同士で呼びかけ合い意欲的に遊びや生活に取り組んでいる。
- 友達同士誘って遊んでいるが、意見の食い違いなどからけんかになることがある。
環境と配慮・援助
養護(内容)
- 環境の変化による心身の状態や、ひとりひとりの生活リズムを把握して子どもに関わり、健康に過ごせるようにする。
- 子どもの不安な思いに寄り添い、無理なく安心して過ごせるようにする。
- 基本的な生活習慣やルール、身の回りのことがわかり、意欲的に活動に取り組めるようにする。
環境構成
- 担当保育者がすぐに受け入れられる体制を整え、元気に挨拶することで明るい雰囲気をつくる。
- 保育室の温度湿度に配慮しこまめに換気を行うなどして、健康的に過ごせる環境を整える。
- 園庭や固定遊具の点検を行い、安全に遊べるようにする。
- 保育室などに春の装飾を行い、明るい雰囲気で過ごせるようにする。
- 子どもが生活しやすいように、生活動線を意識した物の配置を工夫する。
- 明るく楽しい環境になるよう席の配置を工夫して設定する。
- 子ども達が意欲的に取り組めるように当番表を用意し掲示する。
- 1日の流れや生活の仕方を絵や図で表示し、見通しをもって生活できるようにする。
- ゆっくり好きな遊びを楽しめる時間を設定し、保育者はひとりひとりとコミュニケーションを取ったり、一緒に遊ぶことで信頼関係を築く。
- 年下の友達と関わって遊んだりお世話をする姿を認め、年長児としての自信に繋がるようにする。
- 集団遊びのなかでトラブルになったり、うまくいかなかった理由を子ども達と考えていくことでルールや約束の大切さに気付いていけるようにする。
- 散歩に出掛ける際は保育者が手本となって地域の方に元気よく挨拶をすることで、交わすことの気持ちよさや大切さに気付けるようにする。
- 図鑑をもって散歩に出掛け、興味や関心を持ったことはすぐに調べられるようにする。
- 散歩で見つけた草花で製作ができるよう、画用紙や折り紙など必要な道具を身近に用意しておく。
- 絵本や言葉遊びを通してひらがなや文字に興味を持てるようにする。
- 5月のこどもの日の由来を知ったうえで、こいのぼりの製作を楽しめるようにする。
教育
- 戸外で十分に体を動かして遊ぶことを楽しむ。
- 友達や保育者と意欲的に関わり、遊びや活動に取り組む。
- 年長であることを喜び、年下の子どもとの関わりの中で思いやりの気持ちを持つ。
- 散歩に出掛け、地域の方と挨拶を交わす。
- 虫や草花などの自然に興味を持ち、図鑑で調べたり観察して絵を描くことを楽しむ。
- 生き物の飼育を通して命の大切さに気付く。
- 友達との会話の中で正しい言葉の使い方や伝え方の大切さに気付く。
- 絵本や紙芝居を見て物語の世界を楽しみ、自分の思いを話したり友達の意見を聞く。
- 春の季節を感じながら歌をうたったり、製作をしてのびのびと表現することを楽しむ。
- 身近な材料を使いこいのぼりの製作を楽しむ。
食育
- 基本的なマナーを身に付け、和やかな雰囲気の中で食事を楽しむ。
- 季節の食材や赤黄緑色の食材に興味を持ち、楽しく食事をする。
- 食べる姿勢や食器の正しい持ち方、箸の使い方を繰り返し丁寧に伝えていく。
- ごちそうさまの挨拶をする時間を事前に伝え、見通しをもって食事をできるようにする。
- 配膳の際に食べる量を減らしてほしい子どもは自分で伝えられるようにする。
- 食べ物の絵本や紙芝居を通して様々な食材に興味を持てるようにする。
家庭との連携
- 送迎時や園だよりを通して子どもの園での様子を丁寧に伝えることで、保護者と信頼関係を築いていけるようにする。
- 子どもが年長になり自信をもって取り組んでいることを伝えることで安心できるようにする。
- 新たな環境で体調を崩しやすいため、家庭や園での心身の様子を報告し合い共通理解できるようにする。
- 持ち物の名前の記入や登園の準備の最終確認の協力をお願いする。
職員との連携
- 前年度の担任との連携をしっかり行い、ひとりひとりの心身の状態や家庭環境を把握しておく。
- アレルギーのある子どもはどのように配慮していくか調理担当者と話し合う。
- クラス運営や個別に対応が必要なことについて共通理解をしておく。
評価・反省
- 積極的に声を掛けてくれる子どももいれば、新しい保育者に戸惑う子どももいるため、毎日ひとりひとりと関わり引き続き信頼関係を築いていきたい。
- 子ども達は年長になったことをとても喜び、意欲的に活動に取り組んでいて安心したが、その分無理しすぎている子どもはいないか気を付けて見守っていった。
- 年中の頃から遊んでいた集団遊びを友達同士で誘い合って楽しく遊んでいた。これからみんなでいろんな遊びを経験して遊びの幅がより広がっていけるようにしたい。
- 散歩に出掛けると子ども達はとても自然に興味を持ち、いろんな発見をして楽しんでいた。
その思いに共感して自然への関心がより広がっていくように援助していきたい。