保育園で使える、4歳児の年間指導計画の書き方や見本の記入例を紹介します。
年間目標や保育のねらい、環境構成と配慮、養護・教育の内容、食育、家庭との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の年間指導計画作成にお役立てください。
パッと読むための見出し
年間目標
- 健康的で安全な環境のなかで、ひとりひとりの欲求を満たし安定した生活を送る。
- 基本的な生活習慣や態度を身につけ、出来ることを1つずつ増やしていく。
- 友達や保育者とさまざまな活動や日々の生活に取り組むなかで、関わりを深めてコミュニケーション力を高める。
- 身近な自然や社会に興味や関心を持ち、意欲的に考えたり発見を楽しむ。
- 生活のなかで文字や数字に興味や関心を持つ。
- 自分の思いや経験をのびのびと表現することを楽しむ。
子どもの姿
4~5月
- 進級を喜ぶ子どももいるが、緊張したり不安に感じている姿も見られる。
- 身の回りのことは自分でできることが多いが、保育者の援助や声掛けが必要な子どももいる。
6~8月
- 1日の生活の流れがわかり、落ち着いて過ごしている。
- 友達と関わって遊ぶことを楽しんでいるが、思いの違いから言い合いやトラブルになることがある。
9~12月
- さまざまな運動あそびに挑戦するなかで、競争心や仲間意識を持って取り組むようになる。
- 生活習慣が身に付き、できることが増えたことに喜びを感じている。
1~3月
- 進級することを楽しみにしながら、自信をもって生活やあそびに取り組んでいる。
- 子ども同士の関わりが深まり、友達と思いを伝え合い共通のイメージをもって遊びを楽しんでいる。
ねらい
4~5月
- 新しい環境に慣れ、安心して過ごせるようにする。
- 1日の生活の流れがわかり、身の回りのことを自分でしようとする。
- 友達や保育者と好きなあそびを見つけて楽しむ。
- 春の自然に触れながら、戸外で遊ぶことを楽しむ。
6~8月
- 梅雨や夏の時期の保健衛生に留意し、健康に過ごせるようにする。
- 夏の過ごし方がわかり、自分で気を付けて過ごそうとする。
- 夏ならではのあそびを友達と思い切り楽しむ。
- 自分の思いや考えを言葉にして伝える。
9~12月
- 気温の変化に十分留意し、健康に過ごせるようにする。
- 戸外で思い切りからだを動かしてさまざまな運動あそびを楽しむ。
- 友達と共通の目的をもって活動することを楽しむ。
- 秋の自然に興味や関心をもつ。
- 経験したことや思いを自分なりに表現することを楽しむ。
1~3月
- 寒さに負けず、元気に冬を過ごせるようにする。
- 生活習慣が身に付き、進級に期待を抱きながら自信をもって生活する。
- 友達の思いを聞いたり、自分の思いを伝えて互いに認め合いながら関わり合う。
- 文字や数字に興味を持ち、遊びに取り入れて楽しむ。
内容(養護・教育)
4~5月
- 子どもの健康状態を把握し、健康に過ごせるようにする。
- ひとりひとりの不安や思いに寄り添い、信頼関係を築くことで安心して過ごせるようにする。
- 固定遊具や玩具の安全な使い方がわかり、約束を守って遊ぶ。
- 戸外に出て友達や保育者と思い切りからだを動かして遊ぶことを楽しむ。
- 春の自然に興味を持ち、見たり触れたりして楽しむ。
- 挨拶や日常に必要な言葉を知り、生活のなかで交わすことを楽しむ。
- 季節のうたを歌ったり、手あそびをして表現することを楽しむ。
6~8月
- 水分補給や休息、汗の始末に十分留意し、夏の時期を健康に過ごせるようにする。
- あそびや生活のなかで思いを受け入れ、自己を十分に発揮できるようにする。
- 夏の生活の仕方がわかり、自分でしようとする。
- 友達との関わりのなかで約束や決まりを守る大切さに気付いたり、思いやりの気持ちを持つ。
- 水や泥に触れて大胆に遊ぶことを楽しむ。
- 夏の自然事象や生き物に興味を持ち、発見したことを伝えて楽しむ。
- さまざまな素材に親しみ、製作活動を楽しむ。
9~12月
- 体調の変化に気を付けて見守ったり、気温に合わせて衣服を調節して健康に過ごせるようにする。
- 保育者や友達に認められることで安心し、自信をもって挑戦していけるようにする。
- 道具を使ってさまざまな運動あそびを楽しむ。
- 友達と1つの目標に向かって取り組んだり応援し合う喜びを感じる。
- 散歩に出掛けたり園庭探索をして秋の自然に触れて発見を楽しむ。
- 自分の体験したこと話したり、疑問に思ったことをたずねる。
- 木の実やさまざまな素材を使ってイメージしたものを製作することを楽しむ。
1~3月
- 感染症に留意し、気温室温やこまめな換気に気を付けて健康に過ごせるようにする。
- ひとりひとりの成長を認め、自信をもって進級していけるようにする。
- 基本的な生活の仕方がわかり、見通しをもって生活をする。
- 異年齢児と一緒に遊んで関わり、思いやりやいたわりの気持ちを持つ。
- 自分の思いや考えを伝えたり友達の意見も受け入れながら、あそびを広げていくことを楽しむ。
- 冬の自然事象に興味や関心を持ち、遊びに取り入れる。
- 絵本やことばあそびを楽しむなかで言葉の面白さを知り、あそびや日常のなかに取り入れて親しむ。
- 自分でイメージを膨らませながら描いたり作ったりすることを楽しむ。
環境構成と配慮
4~5月
- 保育室内や固定遊具、玩具の安全点検を行い、安全に遊んだり生活できるようにする。
- ひとりひとりとのふれあいを大切にし、温かく関わっていく。
- 個人差を把握したうえで子どもと関わり、自分でしようとする意欲がより育つように見守りながら関わっていく。
- 子ども達と固定遊具や玩具の使い方について約束を確認し、守って遊ぶ大切さを知らせる。
- 好きなあそびを見つけて遊び込めるように、数種類の玩具を用意しておく。
- 子どもの発見や思いに十分共感し、保育者も一緒になって楽しむ。
- 保育者が元気に挨拶して迎えたり、日常の言葉を子ども達と交わすなかでその気持ちよさに気付いて身に付いていけるようにする。
- 季節のうたや馴染みのある手あそびを用意しておく。
6~8月
- 梅雨の時期や夏期の保健衛生に留意し、水分補給の時間を取ったり休息できる日陰を用意しておく。
- 子どもの気持ちや考えを受け入れ共感することで、自分の意見に自信を持てるようにする。
- 集団でのあそびを提案し、ルールを守りながらみんなで遊ぶ楽しさを感じられるようにする。
- あそびのなかで意見の違いやある際は、仲立ちをして一緒に解決していく。
- 保育者も一緒になって水あそびや泥あそびをして、抵抗や恐怖心をなくして大胆に遊ぶ楽しさを感じられるようにする。
- 子どもの発見に共感しながら一緒に観察したり調べることで、より関心を深められるようにする。
- 夏の動植物に興味を持てるよう、図鑑や絵本、容器を用意しておく。
- 製作あそびを通して自分の考えを表現して楽しめるように、さまざまな素材を用意する。
9~12月
- 気温の変化に応じて衣服の調整ができるように声掛けし、快適に過ごせるようにする。
- できるようになったことや頑張る姿を十分認め、自信をもって取り組んでいけるようにする。
- 運動あそびに興味を持てるようにさまざまな道具を用意しておく。
- みんなで友達を応援したり、みんなで達成できたことを喜び合う時間を大切にし、仲間意識を持てるようにする。
- 運動あそびだけでなく、保育室内でゆっくり好きなあそびを楽しむ時間も大切にする。
- 秋の自然に興味を持てるよう木の実がたくさん落ちている場所を把握し、散歩に出掛けて拾って楽しめるようにする。
- 拾った木の実などいろいろな素材や道具を用意し、季節ならではの製作を楽しめるようにする。
1~3月
- 感染症の流行に留意し、こまめな換気や衣服の調節をしたり手洗いうがいを呼びかける。
- 進級への期待や不安に寄り添い、励ましながら自信を持てるようにする。
- 生活習慣の見直しをして気になる点は丁寧に伝えて直していけるようにする。
- 友達との関わりのなかで自分の意見を通すだけではなく、相手の気持ちを知ることの大切さに気付けるように声掛けをする。
- あそびや生活のなかで年下の子どもや5歳児と交流する機会を設ける。
- 文字や数字に興味を持てるように、生活のなかで時計をみて行動したり言葉あそびを一緒に楽しめるようにする。
- 製作活動で自分のイメージを膨らませて楽しめるよう、参考になりそうな絵本を用意したり体験したことを一緒に振り返ってから活動に移る。
食育
4~5月
- 基本的な食事の習慣を身に付け、マナーを守って楽しく食べる。
- 好き嫌いせずに食べようとする。
- 食べこぼしや姿勢に気を付け、丁寧に食事をする。
- 苦手なものを食べられたことに喜びを感じ、自信に繋がる。
- 保育者が手本を見せることで食事の習慣やマナーに気付けるようにする。
- 子どもの好き嫌いを把握し、苦手なものはそばで見守り一緒に挑戦できるように声を掛け、食べられた際は十分に褒める。
6~8月
- ルールのなかで食事をし、食べる意欲を持つ。
- 身近な食材に興味や関心を持つ。
- 決められた時間で食事をしたり、できるだけ残さずに食べようとする。
- 自分たちで野菜を育てて成長の過程を楽しむ。
- 給食の時間が楽しみになるよな声掛けをし、食べる意欲を持てるようにする。
- いただきますの挨拶の前に子ども達と献立を確認する。
- 子ども達と野菜を観察し、収穫に期待を抱けるようにする。
9~12月
- 食事と体の関係に興味や関心を持つ。
- 給食の当番活動に意欲的に取り組む。
- 健康な体作りには食べ物が関わっていることを知る。
- 当番活動で挨拶や簡単な配膳をする。
- 調理員から直接栄養についての話を聞く機会を設ける。
- 配膳を手伝ってもらう際は衛生や安全に留意する。
1~3月
- 食文化について知り、いろいろな味を楽しむ。
- 食具の正しい使い方やマナーを身に付ける。
- 季節や行事ならではの食事や文化があることを知る。
- 箸や食器の持ち方などのマナーを確認する。
- 絵本や紙芝居を通して食材の旬や、行事ごとの食文化の由来について知らせる。
- 食具の使い方やマナーについて友達同士で確認する雰囲気を作る。
家庭との連携
4~5月
- 送迎の際に子どもの様子を丁寧に伝え合い、保護者との信頼関係を気付いていけるようにする。
- 持ち物の記名や毎日の検温の協力をお願いする。
6~8月
- 水あそびをするため、おたよりを通して体調管理や身の回りの清潔の大切さを伝えていく。
- 面談の機会を設け、保護者の質問や不安に寄り添い丁寧に対応していく。
9~12月
- 行事を通して子どもの成長を見て感じることで、喜びを共有していく。
- 子どもの成長を家庭でもたくさん褒めてもらえるように伝えていく。
1~3月
- 感染症の流行を知らせ、体調に変化がないかこまめに連絡を取り合う。
- 保護者と成長を喜び合い安心して進級できるようにする。
参考になりましたら、周囲の方にも広めていただけると励みになります。
他にも、製作遊びやおたより文例などの記事を掲載しているので参考にしてみてください。
【まとめ】4歳児の指導計画(月案、年間指導計画)
【まとめ】保育園・幼稚園で使える4歳児向けの製作あそび
【まとめ】保育に使える製作遊び・手作りおもちゃの作り方
【まとめ】保育園・幼稚園で使える月別おたより文例集