保育園で使える、1歳児の8月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
ねらい
- 安定した生活リズムのなかでゆったりと過ごし、暑い夏を元気に過ごせるようにする。
- 保育者や友達と夏のあそびを満足いくまで十分に楽しむ。
- 夏の自然や生き物に興味をもつ。
前月の子どもの姿
- 毎日の暑さからか子どもたちの疲れが見られる。
- 自分から衣服の着脱をしようとする。
- 保育者や友達と水や砂で遊ぶことを楽しんでいる。
- 暑い中で水あそびを楽しみ、その気持ちよさに気付く。
- 保育者や友達との簡単な言葉のやり取りが増えてきている。
- 音楽に合わせて踊ったり、リズムに乗ることを楽しんでいる。
内容
養護
- 安全に配慮された環境のなかで、ゆったりとした生活リズムで過ごせるようにする。
- 一定時間眠り、十分に休息を取れるようにする。
- 保育者に見守られながら、持ち物の始末や衣服の着脱を自分で意欲的にできるようにする。
- 保育者に気持ちを受け止めてもらうことで、安心して過ごせるようにする。
教育
- 保育者や友達と一緒に玩具の片付けをする。
- 指先を使ったあそびをする。
- 全身を使って水あそびを楽しむ。
- 友達と一緒に好きな遊びを楽しむ。
- ごっこあそびを通して友達との簡単な言葉のやり取りを楽しむ。
- しゃぼん玉や粘土の感触を楽しむ。
- 散歩に出かけ、虫や草花に興味を持つ。
- 簡単な言葉を繰り返す絵本を楽しむ。
- 自分の欲求や思いを言葉で伝えようとする。
- シール貼りやおえかきを自分なりに楽しむ。
- 夏の歌をうたったり、音楽に合わせて踊ることを楽しむ。
環境構成と配慮
養護
- 外気温と室温の差に留意し、室温が下がり過ぎないように調節する。
- 安心して眠れるように、静かで快適な環境を整える。
- 衣服の着脱をする場所を固定したり、自分で着替えやすいように衣服を整えて置いておく。
- 身の回りのことを自分でできた喜びを味わえるようにさりげなく援助し、自信や意欲につながるようにする。
- 甘えたい気持ちを十分に受け止め、あそびを通してスキンシップを取るようにする。
教育
- 片付けの時間になったら音楽を流したり、保育者が声掛けをすることで、友達と競争しながら楽しく片付けができるようにする。
- ひとりひとりが満足するまで遊べるようにさまざまな玩具を用意し、十分な時間を取る。
- 粘土あそびでは保育者がこねたり、丸めたりする動作をわかりやすく行うことで、模倣して遊べるようにする。
- 安全にプールあそびを楽しめるように、滑り止めマットを敷いたり、玩具の点検をする。
- ひとりひとりの様子を見ながら、少しずつ大胆に水あそびを楽しめるようにする。
- 水の苦手な子も、無理のない範囲で楽しめるように活動内容を配慮する。
- 保育者が仲立ちをしながら、友達と一緒に楽しく遊べる雰囲気づくりをする。
- あそびの様子に応じて言葉を補い、友達と簡単な会話をしながら楽しく遊べるようにする。
- 散歩に出かけたり園庭探索をして、周りの自然に触れやすい環境を設定する。
- 子どものペースに合わせてゆったり散歩を楽しめるようにする。
- 子どもと一緒に虫探しを楽しみ、見つけた際はみんなで喜びながら言葉で名前を知らせていく。
- しゃぼん玉を吹いて見せて、追いかけたり触ったりして楽しめるようにする。
- 読み聞かせでは、保育者をまねて言葉あそびを楽しめるような絵本を用意する。
- 言葉で自分の思いを伝えようとしているときは、落ち着いてゆっくり話せるように見守りながら受け止めていく。
- おえかきやシール貼りを楽しむときは、子どもの自由な表現を妨げることのないように関わっていく。
- 興味のある曲を流したり、保育者が音楽に合わせて踊ることで簡単なリズム遊びに誘っていく。
食育
- 自分で意欲的に食べようとする。
- 苦手な食材も挑戦し、少しだけ食べてみようとする。
- スプーンとフォークを使いこなそうとする。
- 絵本や保育者の声掛けで、苦手な食材に興味を持つ。
- ひと口分の量がわかるように保育者が補助し、自分で進んで食べられるようにする。
- 食事中の会話の中で食材の話をし、楽しい雰囲気のなかで興味を持ち、挑戦できるようにする。
家庭との連携
- 体調を崩したり、疲れが出やすい時期でもあるため、健康状態についてこまめに連絡を取り合う。
- トイレトレーニングでは、個人差に合わせながら焦らず進めていけるように知らせていく。
- 水あそびの際に体をチェックし、あせもやとびひが見られたら報告する。
職員との連携
- 友達同士のトラブルで相手を噛んだり引っかくことがあるため、職員同士で話し合い同じように対応できるようにしておく。
- 水あそびの際に、滑ってけがをすることがないよう声を掛け合いながら見守る。
評価・反省
- ゆったりとした生活リズムを心掛けて子どもたちと関わったことで、安心感を持ち、落ち着いて過ごすことができた。また、こまめに水分補給や休息を取ることで、体調を崩すことなく元気に過ごすことができた。
- 水あそびの機会が増えたことで以前より水に慣れ、顔に水がかかったり水しぶきが飛んでも平気な様子で楽しめるようになった。
- 友達との関わりも増えてきて、一緒に競争しながら片付けをしたり、あそびのなかで簡単な言葉のやり取りができるようになってきた。引き続き子ども同士の関わりを見守りながら、あそびや生活のなかで必要な言葉を知らせていきたい。