保育園で使える、5歳児の8月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
ねらい
- 夏期の保健衛生や健康管理に留意し、のびのびと過ごせるようにする。
- 夏の生活に必要な身の回りのことがわかり、自分から進んでする。
- 約束を守りながら友達と一緒に夏のあそびを楽しみ、関わりを深める。
- 植物や小動物の変化や成長を感じ、大切にしようとする気持ちをもつ。
前月の子どもの姿
- 水分補給や汗の始末を自分でする。
- トラブルになることもあるが、友達と協力して遊んだり活動することを楽しんでいる。
- プールあそびでは自分なりに目標を決めて挑戦しようとする姿が見られる。
- 季節の行事に興味をもち、意欲的に活動している。
- 文字や数字に興味をもち、読んだりかいたりすることを楽しんでいる。
内容
養護
- ひとりひとりの体調に留意し、生活リズムを整えていけるようにする。
- プールあそびでの約束事を守りながら遊び、自分で危険を管理できるようにする。
- 保育者や友達との安定した関係のなかで、さまざまなことに挑戦していけるようにする。
教育
- 夏の生活の仕方がわかり、汗の始末や着替えの準備・片付け、水分補給などを自分ですすんで行う。
- プールあそびでは自分なりに目標を立て、達成に向けて繰り返し挑戦しようとする。
- 友達の頑張る姿を認め、自分も一緒に挑戦してみようとする。
- 友達とイメージを共有しながら、工夫したり考えたりしてあそびを発展させていくことを楽しむ。
- みんなで使う道具や遊具を大切に使い、協力して片付けをする。
- 水や空、雲などの性質に興味をもち、その不思議さやおもしろさに気付く。
- 野菜の栽培や昆虫の飼育を通して命の大切さに気付く。
- 自分が経験したことや感じたことを伝わるように相手に話したり、友達の話に耳を傾けて会話することを楽しむ。
- 絵本の読み聞かせを通してイメージを膨らませ、物語の世界観を楽しむ。
- さまざまな素材や道具を使って、身近な生活やあそびに使うものを工夫して作ったり、描いたりする。
環境構成と配慮
養護
- お盆中に不規則になった生活リズムを整えていけるように、ていねいに見守っていく。
- 深さのあるプールで遊ぶ楽しさを感じるとともに、危険性にも気づいていけるようにする。
- 子どもたちの意欲を受け止めたり十分に認めることで、自信をもってさまざまなことに挑戦できるようにする。
教育
- 汗をかいた後の始末や着替えなど、場面をとらえて清潔にする気持ちよさややり方をていねいに伝えて、習慣付くようにする。
- 自分で汗の始末を行えるよう、いつでもハンカチを持ち歩くように呼びかける。
- プールあそびでは子どもたちの様子を見ながら水の量を増やし、深さのあるプールに慣れていけるようにする。
- 目標に向かって頑張る姿勢を大切にして、励ましたり具体的に褒めることで自信につながるようにする。
- 友達の頑張りを認め合ったり、応援できるような雰囲気づくりを大切にする。
- 友達と工夫したり考えてあそびを進められるように、さまざまな道具を用意する。
- みんなで共有して使う道具や遊具であることを意識して、大切に扱えるように知らせる。
- 子どもたちの感じ取った思いに共感しながら、自然への関心を広げていけるようにする。
- 虹や雷などの自然事象に関する図鑑や絵本を用意し、気になったら自分で調べられる環境を整える。
- 栽培や飼育を経験するなかで、生き物の命についてみんなで考える機会をつくり、大切に扱えるようにする。
- 夏に経験したことをみんなの前で発表する機会をつくる。
- 会話をする時と人前で発表する時では、話し方が異なることを知らせ、適切に発表できるようにする。
- 子どもが伝えようとしている気持ちを受け止めながら、ゆったりと話を聞く。
- 絵本を通してイメージを膨らませる楽しさを感じられるよう、読み方を工夫したり、時には素話も楽しめるようにする。
- 個々の自由な表現を認め、満足感を得られるようにする。
食育
- 自分の体に興味をもち、健康のために必要な食品を取る。
- さまざまな食材の命に関心を持つ。
- 体の仕組みや健康に過ごすための食生活を知る。
- 収穫した野菜でクッキングをする。
- 紙芝居などを通して自分の健康について考える機会をつくる。
- 調理方法や食材の種類について知り、興味をもつ機会にする。
家庭との連携
- 生活リズムが不規則にならないように呼びかけ、家庭とこまめに連携を図っていく。
- 子どもたちがさまざまな活動に意欲的に取り組む姿を伝え、成長を共に喜べるようにする。
職員との連携
- プールあそびが安全に楽しめるように、職員間で連携を図りながら消毒や水の深さを管理する。
- お盆期間中は異年齢児で関わる時間も増えるため、事前に職員間で活動内容について話し合っておく。
評価・反省
- お盆明けは生活習慣が不規則になっている様子が見られることもあったが、ひとりひとりていねいに関わることで整えていくことができた。
- 子どもたちの自由な表現を認めたり共感したことで、「次はこうしてみよう」と友達同士で話し合いながら、あそびを工夫したり発展させていく姿が見られた。
- プールあそびでは、多くの経験を通して以前よりダイナミックに遊べるようになった。また、自分なりの目標に向かってあきらめず取り組もうとする姿が見られ、ひとりひとりの成長を感じた。