保育園で使える、4歳児の6月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
ねらい
- 生活に必要なことがわかり、できることは自分でしようとする。
- ひとりひとりが安心して自分らしさを表出できるようにする。
- 友達と一緒にさまざまなあそびを楽しむ。
- 戸外あそびを通して初夏の自然に触れる。
- 行事に関心を持ち、期待を抱きながら作ることを楽しむ。
前月の子どもの姿
- 園での生活やクラスに慣れ、安心した様子で生活している。
- 生活に見通しをもって過ごし、気持ちの切り替えができるようになってきたが、時間がかかる子もいる。
- 気の合う友達と遊ぶことを楽しんでいる。
- 身近な生き物に興味を持ち、見たり触れたりしている。
- 友達との関わりのなかで、自己主張が強すぎて言い合いやトラブルになることがある。
内容
養護
- ひとりひとりの健康状態を把握し、健康的に過ごせるようにする。
- 安定した生活リズムで過ごせるようにする。
- ひとりひとりの気持ちを受け止め、自己表現が十分にできるようにする。
教育
- 身の回りのことを自分でしようとする。
- 絵本や紙芝居を通して歯みがきの大切さや、正しいみがき方を知る。
- 保育者や友達と体を動かして遊ぶ。
- ルールのある集団あそびを楽しむ。
- 梅雨期の天気や生き物に興味を持つ。
- 雨上がりに散歩に出掛ける。
- 砂や水、泥に触れて遊ぶ。
- 時の記念日があることを知り、時間や数字に興味を持つ。
- 相手の気持ちに共感しながら、自分の思いも伝える。
- 絵本や紙芝居を見ることを楽しむ。
- 七夕の由来を知り、願い事を考えたり製作することを楽しむ。
- 友達と歌ったり、音楽に合わせて体操をすることを楽しむ。
環境構成と配慮
養護
- 室温や湿度の管理に留意し、気温に応じて自分で衣服の調節ができるように呼び掛ける。
- 汗の始末や水分補給をこまめに行えるようにする。
- 天候の関係で室内あそびが続く日は、広い場所で十分に体を動かして遊べる機会を作り、気持ちを発散できるようにする。
- 気持ちや時間にゆとりを持ち、落ち着いて過ごせるようにする。
- ひとりひとりと関わりながら、のびのびと自分の思いを表現できる環境を整える。
教育
- 脱いだ衣服の始末の方法をわかりやすく伝え、できない子にはその都度ていねいに知らせていく。
- 手洗いうがいや歯みがきの大切さを絵本や紙芝居を通してわかりやすく伝える。
- 遊具や園庭の安全点検をこまめに行う。
- 保育者も一緒になって体を動かして遊び、楽しさを共有していく。
- 集団あそびを楽しむ中で、ルールを守る大切さや安全な遊び方に気付けるようにする。
- 散歩に出掛ける際は、事前にコースを確認しておく。
- 散歩を通して交通ルールを知らせる。
- 気になった草花や生き物を調べられるように図鑑を用意する。
- 梅雨期の自然に五感で触れ、発見や感じたことをみんなで共有しながら受け止めていく。
- 時の記念日について知らせ、関心を持てるようにさまざまな時計を用意する。
- 時計に興味や関心が持てるように、生活の中で時間を知らせたり、時計を意識できるような言葉がけをする。
- トラブルが起きた際は、できる限り子ども同士で解決していけるように、仲立ちのバランスを考えながら見守っていく。
- 自分の思いを相手に強く言ってしまう際は、子どもの思いを受け止めながら相手の気持ちにも気付いていけるように一緒に考えていく。
- 絵本や紙芝居で七夕の由来を伝えたうえで、興味をもって製作を楽しめるようにする。
- ひとりひとりが自由に発想し、表現することを楽しめるようにさまざまな素材や道具を用意する。
- 子どもの思いにあった曲を用意し、友達と一緒に歌ったり、動きをそろえて体操をする楽しさを感じられるようにする。
食育
- 食事のルールのなかで、食べる意欲を育む。
- 身近な食材への興味や理解を深める。
- 決められた時間のなかで食べたり、苦手なものに挑戦しようとする。
- 野菜を育てて、生長の過程を観察する。
- 献立を知らせたり、給食の時間に期待を抱けるような言葉を掛ける。
- 野菜の日々の生長に気付けるようにクラスで観察する機会を作る。
家庭との連携
- 気温に応じて衣服の調節ができるように、衣類の補充をお願いする。
- 歯科検診の結果を知らせ、必要に応じて受診のお願いをする。
- 園での様子を伝え、子どもの成長を共に喜べるようにする。
職員との連携
- 戸外あそびや散歩に出かける際は、ルートや安全面について共通理解をする。
- 個別の関わりを要する子に対しては、職員間の共通理解のもとこまめに情報交換する。
評価・反省
- 雨天が続き室内あそびが多く、子どもたちが落ち着かない日があったため、けがをすることがないように注意して見守った。広いスペースで思い切り体を動かして遊べるように配慮した。
- 手洗いうがいや歯みがきの仕方を改めて見直したことで、これまでよりもていねいに行えるようになった。きちんと習慣にしていけるように見守っていきたい。
- 七夕の製作では、願い事を考えることを楽しんでいた。なかなか自分の思いがまとまらず困っている子は、一緒に考えていくことで決めることができた。表現することの楽しさを感じられるように援助していきたい。