保育園で使える、4歳児の4月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。
ねらい、前月の子どもの様子や子どもの姿、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の指導計画作成にお役立てください。
全体のねらい
- 進級を喜び、新しい環境や生活に慣れ安心して過ごす。
- 新しいクラスに期待をもって登園する。
- 新しい環境での生活の仕方がわかり、自分でできることはやろうとする。
- 保育者や友達とみんなで一緒に遊ぶことを楽しむ。
- 春の訪れを喜び、虫や草花に触れて戸外遊びを楽しむ。
前月の子どもの様子
- 進級することに期待を持ち張り切って生活しているが、時々緊張している子どもの様子も見られる。
- 手洗いうがいや持ち物の始末などを、保育者から促されることなく自分から進んでやろうとしている。
- 早く遊びたい思いがあり、片付けの途中のまま戸外へ遊びに行こうとする子どももいる。
- 友達や保育士を誘って一緒に遊ぶことを楽しんでいる。
- 友達同士の会話の中で気持ちがぶつかり、言い合いになることがある。
- 製作遊びでは自分の作りたいものを表現することを楽しんでいる。
環境と配慮・援助
養護(内容)
- ひとりひとりの健康状態や生活リズムを把握し、衛生的で安全な環境の中で過ごせるようにする。
- 子どもの不安な気持ちや思いに温かく寄り添い、安定した情緒で過ごせるようにする。
- 遊びや生活の中で会話をしたりスキンシップを取ることで、保育者との信頼関係を築き、園での生活に期待を持てるようにする。
- 友達同士の関わりがより深まるよう互いの思いに耳を傾け、様子を見ながら仲立ちをしていく。
- 自分で身の回りのことをやろうとする姿を十分に褒めて認めていくことで、自信に繋がり、より意欲的に取り組んでいけるようにする。
- 集団での遊びを楽しめるように保育者が巻き込んで誘い、一緒に遊べるようにする。
- 子どもの発見や製作活動で作った物などを十分に認め受け入れることで、楽しさや嬉しさを感じられるようにする。
環境構成
- 子どもの健康状態や生活習慣を把握し、様子を見ながらひとりひとりに合った関わりをしていく。
- 保育室内の湿度や温度、換気に十分留意し清潔に保つ。
- 保育室内外の安全点検や環境整備をする。
- 子ども達が生活しやすいよう、生活動線を意識した物の配置を考える。
- 朝の準備や1日の生活の流れが目で見てわかるように絵や写真を貼ることで、見通しをもって生活できるようにする。
- 生活の中でわからないことも友達同士で教えあえるような温かい雰囲気づくりをする。
- 生活や遊びの中での約束や決まりを、危険な理由なども交えながら繰り返し伝えていく。
- 好きな遊びが見つけられるように何種類かの遊びを用意しておく。
- 保育者自身も楽しんで遊びに加わることで、子どもが興味を持ち遊びの幅がより広がっていくようにする。
- 散歩に出かける際はどんな春の自然があるか、安全なルートかを把握していく。
- 虫や草花を入れて持ち帰る容器を用意しておく。
- 子ども達が散歩や園庭探索で興味を持ったことを調べられるように、季節の絵本や図鑑を用意しておく。
- 挨拶や生活の中で必要な言葉を具体的に伝え、言えた際には認めることで挨拶の気持ちよさに気付けるようにする。
教育
- 危険な場所や遊びを知り、ルールや決まりを守って楽しく遊ぶ。
- 天気のいい日は戸外で思い切りからだを動かしてのびのびと遊ぶ。
- 保育者や友達との関わりの中で好きな遊びを見つけて一緒に楽しむ。
- 集団での遊びを楽しみ、関わり合いの中でルールの大切さに気付く。
- 年長の遊びに興味を持ち、真似たり一緒に遊ぶことを楽しむ。
- 保育者や友達と挨拶や日常の会話を交わすことを楽しむ。
- 生き物や草花に触れることで命の大切さに気付く。
- 絵本や紙芝居を通して話の世界観や言葉の面白さを感じる。
- 遊びや生活の中で歌や手遊びに親しみを持ち楽しむ。
- 粘土やブロックなどの身近な素材で作ったり、絵を描いて自分の作りたいものを表現することを楽しむ。
食育
- 保育者や友達と楽しい雰囲気の中で食事をする。
- 食事のマナーや箸、食器の持ち方を身に付ける。
- 時間にゆとりをもって、落ち着いた雰囲気の中でよく噛んで食べられるようにする。
- ひとりひとりの食べる量や好き嫌いに配慮して配膳する。
- 嫌いなものにも挑戦する姿を十分褒め、自信に繋がるようにする。
- 箸や食器の持ち方が気になる子どもはその都度丁寧に伝えていく。
- 季節ならではの食材や献立が出た際には子ども達に知らせ、興味を持てるようにする。
家庭との連携
- 送迎時やクラス便りを通して園での様子や情報をわかりやすく伝えることで保護者が安心し、信頼関係を築いていけるようにする。
- 新しい環境で疲れが出やすいため家でゆっくり休息を取れるよう伝え、体調もこまめに確認し合う。
職員との連携
- 前年度からの引き継ぎ内容を確認し、ひとりひとりの健康状態や家庭環境を把握することで職員間で配慮事項を共通理解しておく。
- アレルギーのある子どもは十分に配慮するために、調理担当者と話し合いをしておく。
評価・反省
- 新しい環境や保育者に緊張する様子も見られたが、ひとりひとりとの関わりを大切にし、話しかけたり一緒に遊ぶなかで安心して過ごせるようになった。
- 自分から遊びに誘えない子どもは、保育士が仲立ちすることで友達との関わりが深まり、自分から誘えるようになった。
- 子ども同士の関わりの中で1人の子どもが我慢することのないよう温かく見守っていきたい。
- 散歩に出かけ、春らしい探索をしたことで子ども達の自然への興味がより深まったため、引き続き子どもの発見を見逃さず自然とかかわる場面を設けていきたい。