保育園で使える、5歳児の年間指導計画の書き方や見本の記入例を紹介します。
年間目標や保育のねらい、環境構成と配慮、養護・教育の内容、食育、家庭との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の年間指導計画作成にお役立てください。
パッと読むための見出し
年間目標
- 保健的で安全な環境のなかで、心豊かに過ごせるようにする。
- 基本的な生活習慣がわかり、自分で考えて行動する力を身に付ける。
- 友達との関わりを通して主体性や協調性を身に付ける。
- 身近な自然や社会事象に興味を持ち、豊かな感性や知的好奇心を育む。
- 文字や数字を生活の中に取り入れて活動する。
- 自分の思いや感じたことを豊かに表現する。
子どもの姿
4~5月
- 進級したことを喜び、これからの生活に期待を抱いている。
- 友達と戸外で思い切り体を動かして好きな遊びを楽しんでいる。
6~8月
- 1日の流れや生活の仕方がわかり、さまざまな活動にも意欲的に取り組んでいる。
- 友達との関わりが増える分、意見の食い違いから言い合いなどのトラブルになることがあるが、自分たちで解決しようとする姿も見られる。
9~12月
- 運動会などの行事を通して仲間意識が深まり、友達同士で誘い合って集団遊びを楽しんでいる。
- 時計を見て行動したり、次の活動の準備を進んでするなど見通しをもって行動する姿が見られる。
1~3月
- 友達と話し合ったり協力して、遊びを発展させて楽しんでいる。
- 年長として年下の子の面倒を積極的に見たり、小学校への進学に期待を抱いて生活している。
ねらい
4~5月
- 年長になった喜びを感じ、自信をもって過ごせるようにする。
- 新しい環境に慣れ、遊びや生活に意欲的に取り組む。
- 友達と戸外で思い切り体を動かして遊ぶ。
- 春の自然に親しみ、身近な生き物や植物を大切に育てる。
6~8月
- 活動と休息のバランスがわかり、気を付けながら暑い夏を元気に過ごせるようにする。
- 友達や年下の子どもとの関わりのなかで相手の気持ちに気付き、思いを受け入れる。
- 夏ならではのあそびを思い切り楽しみ、考えたり工夫したりしながら遊ぶ。
- 自分の力を十分に発揮してあそびや活動に取り組む。
9~12月
- さまざまな行事を経験し、認められることで自分に自信をもって過ごせるようにする。
- 友達と1つの目標に向かって活動し、協力するなかで達成感や充実感を味わう。
- 秋の自然に親しみ、自然の面白さや不思議さに興味を持つ。
- 経験したことやイメージしたことを自由に表現することを楽しむ。
1~3月
- 冬の感染症に気を付け、健康的に過ごせるようにする。
- 自分が大きくなったことを感じ、就学に期待を抱きながら自信をもって過ごす。
- あそびや生活の中で自分の思いを伝えたり、友達の良さを認め互いに心を通わす。
- 生活のなかでの決まりを守り、時間と行動に見通しをもって主体的に活動する。
内容(養護・教育)
4~5月
- 進級後の喜びや不安をひとりひとり受け止め、安心して自分を表現できるようにする。
- 生活の仕方がわかり、当番活動に意欲的に取り組む。
- 友達と一緒にさまざまな遊びを展開していくことを楽しむ。
- 野菜や花、生き物を育てる中で命の大切さに気付く。
- 挨拶を交わす気持ちよさに気付き、保育者や友達に進んで挨拶をする。
- 身近な素材を使って製作し、のびのびと表現することを楽しむ。
6~8月
- 水分補給を取ったり、自分で汗を拭いて健康で快適に過ごせるようにする。
- 暑さに負けず食事をきちんととったり、休息をとり体力づくりをする。
- 友達との関わりのなかでルールや約束事の大切さに気付き守ろうとする。
- 水遊びや泥遊びなど夏ならではの遊びを経験したり、自然事象に興味をもち感性を育む。
- 友達の話を聞いたり、自分の思いを話して会話を楽しむ。
- 歌詞の内容をイメージしながら表現豊かに歌うことを楽しむ。
9~12月
- ひとりひとりの頑張り、やり遂げる姿を十分に認め、自信をもって過ごせるようにする。
- 自分から身のまわりの清潔に気を付けたり整理整頓をする。
- さまざまな運動に取り組み、失敗してもあきらめず挑戦する。
- みんなで協力したり工夫をして1つの目標に向かって取り組む喜びや充実感を味わう。
- 散歩に出掛け落ち葉や木の実拾いをして季節の移り変わりを感じる。
- 文字や数字に興味を持ち、あそびの中に取り入れる。
- 感じたことやイメージしたことを音楽や製作、言葉で自分なりに表現することを楽しむ。
1~3月
- 自分に自信を持ち、主体的に活動できるように成長を認めていく。
- 冬の生活の仕方がわかり、自分で考えて行動する。
- 集団生活の中で協力したり、友達の良さを認めながら遊びや活動に取り組む。
- 冬の自然事象に興味を持ち、自分で調べることで関心を深める。
- 友達や身近な人との関わりのなかで感謝の気持ちを持ち、自分の言葉で伝える。
環境構成と配慮
4~5月
- 安全点検や保育室の清潔を保ち、安心して過ごせるように保育環境を整えておく。
- ひとりひとりの思いに寄り添い、笑顔で受け入れていく。
- 子ども達が意欲的に当番活動に取り組めるように工夫された当番表を用意しておく。
- 友達と好きな遊びを思い切り楽しめるように十分な時間と場所を確保する。
- 子どもが自然に興味を持ち、自分で調べられるように図鑑を用意しておく。
- 野菜の苗を植えて子ども達が水やりを行うことで大切に育て、収穫が楽しみになるようにする。
- 身近な素材で製作を自由に楽しめるように画用紙や絵の具などの材料を用意しておく。
6~8月
- 梅雨の時期や水あそびの際の衛生管理に十分留意する。
- 熱中症の危険性や汗を拭いて過ごす気持ちよさを伝えたり、こまめに水分補給や休息が取れる日陰をつくっておく。
- プールあそびの際は子どもの様子から活動内容を考え、あそびを発展させて楽しめるようにする。
- 子ども同士でのぶつかり合いはそばで見守り、出来る限り自分たちで話し合って解決していけるようにする。
- ひとりひとりの発見に十分共感し、思いを素直に表現できる雰囲気をつくる。
- 季節を感じられる歌を用意し、情景を身近に感じながら歌えるようにする。
9~12月
- 体を動かして遊ぶことを楽しめるよう、器具や道具を用意しておく。
- 自分で気付いて整理整頓ができるように声を掛けていく。
- 行事に向けての活動に集中して取り組めるよう休息の時間をしっかりとることで、気持ちを切り替えられるようにする。
- 子ども達で協力する場面では一歩下がって見守り、みんなで話し合ったり工夫して挑戦できるようにする。
- 日常の生活やあそびのなかで自然に文字や数字に興味を持てるように、声を掛けたり身近なところに絵本や掲示物を用意しておく。
- 木の実や落ち葉を使って製作を楽しめるように、事前にたくさんどんぐりなどが落ちている場所を把握して散歩に出掛ける。
- ひとりひとりが頑張って取り組む姿を十分に認め、自分に自信をもってさまざまなことに挑戦していけるようにする。
1~3月
- 手洗いうがいの大切さを改めて確認し、自分で気を付けて感染症の対策ができるようにする。
- 道具や保育室の消毒、換気をこまめに行うことで感染症の予防をする。
- 友達同士で考え、アイデアを出し合いながらあそびを発展して楽しめるように十分な時間や場所、道具を用意する。
- 安全に対する認識が深まるよう、絵本や紙芝居を通して伝えてみんなで話し合う場をつくる。
- 1日に見通しをもって主体的に生活できるよう、朝に前もって活動の流れを確認しておく。
- 保育園での生活を子ども達と振り返り、成長を共に喜んで自分に自信を持って就学を迎えられるようにする。
食育
4~5月
- 食事におけるマナーが身に付き、食べることを楽しむ。
- さまざまな食材に興味を持つ。
- 配膳や食事中の約束やマナーがわかり、自分で気を付けながら意欲的に食事をする。
- 野菜のお世話を通して命の大切さを知る。
- 食事の姿勢、箸や食器の持ち方をくりかえし丁寧に伝えていく。
- 自分で野菜を植えたり水をあげて、収穫を楽しみにできるように声を掛ける。
6~8月
- 自分の体を知り、健康を意識して食事をする。
- さまざまな料理に興味を持つ。
- 健康に過ごすための食生活について知る。
- 収穫した野菜でクッキングをする。
- 絵本や紙芝居を通して赤・黄・緑の食べ物について知らせ、意識しながらバランスよく食べられるようにする。
- 調理方法や食材を知らせ、今後も興味や関心を持てるようにする。
9~12月
- 健康な体と食べ物の関係について知る。
- 食文化に興味を持つ。
- 朝ごはんやよく噛むことの大切さを知り、健康に過ごすにはどんな生活をすればいいのか関心を深める。
- 季節ならではの食材や行事の食事を知らせ、食事を楽しめるようにする。
1~3月
- 就学に向けて食事のマナーを確認する。
- 異年齢児との食事を楽しむ。
- 就学を意識し、マナーに気を付けながら食事をする。
- 異年齢児や保育者、調理員とみんなで食事を楽しむ。
- 就学後に戸惑うことのないよう、小学校の食事環境に近づける。
- 食に関連付けて、自分の周りの人々に改めて感謝の気持ちを持てるように声掛けをする。
家庭との連携
4~5月
- 環境の変化で心身共に不安定になりやすいため、連絡帳や送迎の際に園や家庭での様子をこまめに報告し合うことで信頼関係を築いていく。
- 持ち物の準備などを子ども自身が行い、保護者が最後にチェックすることでできるだけ自分で準備ができるように協力をお願いする。
6~8月
- 夏季に流行する感染症についておたよりなどを通して伝え、体調の変化に気を付けて見守ってもらう。
- 子どもができるようになったことや頑張っていることを伝え、喜びを共有したり一緒に温かく見守っていけるようにする。
9~12月
- 個人面談やクラス懇談会の機会を設け、保護者の思いに耳を傾ける。
- 行事を通して子どもの成長を実際に見て感じられる機会を設ける。
1~3月
- 卒園に向けての生活や、就学までに準備しておきたいことを知らせる。
- 就学に向けて不安に思っていることがないかこまめに連携をはかり、一緒に考えていく。
- 子どもの成長を喜び合うことで安心し、希望をもって就学を迎えられるようにする。
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他にも、製作遊びやおたより文例などの記事を掲載しているので参考にしてみてください。
【まとめ】5歳児の指導計画(月案、年間指導計画)
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