保育園で使える、3歳児の年間指導計画の書き方や見本の記入例を紹介します。
保育目標や保育のねらい、月齢別の子どもの姿、保育者の関わりと配慮、家庭との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の年間指導計画作成にお役立てください。
パッと読むための見出し
保育目標
- 生活に見通しをもち身のまわりのことは自分でしようとする。
- 遊びや生活を通してさまざまなことを経験する中で、友達との関わりを楽しむ。
- 自分の想いや欲求を自分なりに言葉や身振りなどで伝えようとする。
- いろいろなものに興味や関心をもち楽しく遊びに取り組む。
保育のねらい
- 新しい環境に親しみ、好きな遊びを見つけて安心して過ごせるようにする。
- 保育者や友達と触れ合いながら、色々な遊びを楽しむ。
- 簡単な身の回りの始末を自分でやろうとする。
- 保育者や友達と一緒に過ごしたり、遊んだりする楽しさを知る。
- 夏の生活の仕方を知り、健康に過ごせるようにする。
- 自分の考えや気持ちを保育者や友達に伝えられるようにする。
- 保育者や友達とのびのび身体を自由に動かしたり、自由に表現したりする。
- 持ち物の始末の仕方や遊んだ後の片付けなどを、自分で考えてやろうとする。
- 生活に見通しをもち、身の回りのことを自分からすすんでやろうとする。
- 友達と一緒にいろいろな遊びや衝突を経験しながらかかわりを楽しむ。
- 自分でできることは自信をもって取り組めるようにする。
- 進級することに期待をもち、意欲的に生活しようとする。
- 生活に必要な言葉を理解して行動したり、簡単なルールのある遊びなどを楽しむ。
- 興味のあることや経験したことなどを、保育者や友達と一緒に表現して楽しむ。
- 製作を自由に描いたり作ったりして、表現する喜びを味わう。
内容
4月~6月
- 自分のマークや持ち物の置き場所が分かり、身支度などを保育者に援助してもらいながら、園生活のリズムになじんでいく。
- 食事やおやつは時々介助するが、基本は一人で座って食べられるようになる。
- トイレに行き援助されながら安心して排泄する。
- 新しい午睡の場所になじみ安心して眠る。
- パンツやズボンなどの着脱を一人でおこない、できた喜びを感じる。
- 好きなおもちゃで保育者と一緒に遊ぶ。
- 友達のしている遊びに興味を持ち、同じことをして遊びながら少しずつ言葉のやりとりをして楽しむ。
- 散歩や戸外遊びを通じて自然に興味を持つ。
- あいさつや自分がしたいこと、してほしいことを言葉で伝える。
7月~12月
- 尿意を感じたら、自分でトイレに行って排泄をする。
- 生活リズムが整い、午睡時間になったら自分の布団を見つけて一人で寝る。
- 自分で靴の着脱をする。
- 泥んこ遊びや色々な水遊びを思い切り楽しむ。
- 園で飼育している動物や雨や水たまり、雲の動く様子などをみて楽しむ。
- 自分に身近な絵本や手遊びに興味を持ち楽しむ。
- コーナー遊びやごっこ遊びを楽しみ、保育者や友達と一緒に触れ合うことを喜ぶ。
- 正しい持ち方でスプーンを使ってこぼさずに食べようとする。
- 箸に興味を持ち、少しずつ持ち方を覚えていく。
- 生活の仕方が分かり、流れにそって行動する。
- 落ち葉や木の実を広い、形の面白さを感じたり使って遊ぶ。
- 様々な遊具が使われたサーキット遊びを楽しむ。
- 集団生活に必要な簡単な決まりが分かり、順番を待ったり譲ったりする。
- 好きな絵本や紙芝居を繰り返し読んでもらい、保育者や友達と模倣遊びをする。
- 絵の具やクレヨンでなぐりがきをしたり、のりをつかって貼ったり粘土遊びを楽しんだりする。
- ひも通し、ブロック、人形の着せ替え、パズルなど手先を使って遊ぶ。
1月~3月
- 異年齢の友達と一緒に過ごしたり遊んだりしながら少しずつ親しみを持つ。
- 異年齢のクラスでの新しい生活を少しずつ覚えていく。
- 箸の持ち方を覚えて使って食べようとする。
- パンツやズボンを全部脱がずに排泄ができるようになり、後始末も自分でする。
- できないとろは手伝ってもらいながら、自分で衣類の着脱をして脱いだ服を畳んで片付ける。
- 外気に触れながら、保育者や友達と全身を使って遊ぶ。
- 興味のあるお話をもとにしたごっこ遊びやルールのある遊びを保育者と友達と一緒に楽しむ。
- 赤、青、黄などの色を知り、同じ色を見つけて喜び色遊びをする。
- 自分で作った製作で遊ぶことを楽しむ。
- 冬の自然現象(霜、氷、雪など)に興味を持って遊ぶ。
- 鬼のお面づくりなど保育者と一緒にはさみで切ったり貼ったりする製作を楽しんで行う。
予想される子どもの姿
4月~6月
- 新入園児は新しい環境や保育者になじむまでは、保育者をひとり占めしようとしたり泣いたりするが、周りの人と信頼関係ができると徐々に興味のある遊びを見つけ、安心して生活するようになる。。
- 進級児は新しい環境に不安を持ちながらも、前年度からの担当保育者と一緒に、好きなことを見つけて遊ぶ姿が多くみられる。
- 友達と関わるとき、言葉で自分の思いを十分に伝えられないため、泣いたり相手をたたいたりすることがある。
- 指にのりをすくってから、紙に塗り広げる。
7月~12月
- 一日の生活の流れが分かってきて安定してくる。
- 担当の保育者と信頼関係ができ、友達とも会話しながら意欲的に遊び始める。
- 友達との間で自我のぶつかり合いが多くなる。
- 泥遊びや水遊びなど開放的な遊びを保育者や友達と楽しむようになる。
- 身近な小動物や草花、雨や雲などの自然現象に興味を示すようになってくる。
- 経験したことを言葉や動作で伝えようとする。
- 手洗いやうがいなど身の回りの清潔に気づいたり、三輪車などの遊具を交代で友達と使うなど、安全の習慣が身についていく。
- 散歩で落ち葉や着物を拾ったり、拾い集めた木の実などを使ってままごと遊びをする。また全身を使う運動遊び、手指を使う遊びを友達と一緒に楽しむ。
- 「貸して」「いいよ」「待っててね」「一緒にやろう」など言葉で自分の思いを伝えながら友達との関わりを楽しむようになる。
1月~3月
- 幼児クラスへの移行準備が始まり、楽しみにする姿が見られるようになる。
- 異年齢の子どもたちと喜んで手をつないで一緒に散歩に行く。
- 生活に必要な言葉が大体わかり、身の回りのことを自分でやろうとする姿が見られる。
- 自分でしたいことやしてほしいことを言葉で伝えるなど自我がはっきりしてくる。
- 友達との関わりが活発になり、気の合う友達同士で役割のあるごっこ遊びをしたり、大勢で簡単なルールのある遊びを楽しんだりする。
- 製作に使う材料に興味を持ち、自分の好きな色を選んで製作する。
- 経験したことを思い出しながら絵を描こうとする。
保育者のかかわりと配慮
4月~7月
- 進級児にはこれまでのクラスの生活の流れを大きく変えないようにする。また新級園児に対しては、家庭での様子を把握してできるだけ家庭に近い環境を作る。
- 持ち物や靴箱などにはその子の決まったマークを付けてわかるようにする。
- あまり食べられなくても無理にすすめず、楽しく食べられるように雰囲気などを工夫する。
- 身の回りのことは、自分でやりたい気持ちを大切にしながら、部分的に介助する仕方で援助していくようにする。
- 子どもが話そうとするときは、安心して話せるように優しく受けとめる。
- のりがついた指をキレイにできるように、濡れたタオルを用意する。
- のりの使い方や、画用紙の貼りかたなどまず保育者がお手本を見せる。
- 「さんかく」「大きい」「黄色だね」など形や色などを表す言葉を意識してなげかける。
- 季節感のある製作をとりいれて子どもが興味をふくらませてやってみたいと思えるようにする。
8月~12月
- 「自分でしたい」という気持ちを大切にし、自分でというときは見守り、手助けが必要な時なさりげなく援助をする。
- 夏の暑さで疲れやすいときなので、一人ひとりの健康状態に気をくばり、水分補給や活動と休息のバランスに配慮する。
- 夏を健康に過ごせるように、風通しや室温に気をくばる。
- 自己主張を受け止めながら、物事の良しあしはきちんと伝えていく。
- 子どもの話をよく聞き、言葉を補いながらその思いに共感する。
- 水遊び、プール遊びでは安全と衛生に十分注意する。
- 友達と一緒に遊具で遊ぶ機会を多くとり、保育者が仲立ちをしながら使い方や危険について知らせていく。
- 「美味しいね」と声掛けをしながら食べられる食品の幅を広げ、よく噛んで食べられるようにしていく。
- 体調や気候に合わせて衣類の調節をして薄着の習慣をつける。
- のびのびと身体を動かして遊べるよう、安全に配慮しながら遊具を組み合わせるなどの工夫をする。
- 模倣遊びやごっこ遊びの中で、友達と一緒に遊ぶ楽しさが味わえるよう仲立ちをしていく。
- 順番、交代などの約束を守ることで、遊びがより楽しくなることが実感できるよう遊びの中で援助していく。
- 製作では子どもが好きなものを選べるように、さまざまな色や形のパーツを用意しておく。
- 完成した時には子どもと一緒に喜び、充実感や満足感を味わえるようにする。
1月~3月
- 基本的な生活習慣の自立の仕方には個人差があるので、個々に合わせた援助をし、一人でできた喜びを味わうことで自信が持てるようにする。
- 模倣遊びやごっこ遊びを通して、言葉を使う経験を豊かにしていき、友達との関わりが広がるようにする。
- 一人ひとりの育ちを見直し、遊びに対する興味の持ち方や生活習慣の習得、友達との関わりなどの発達課題を再確認する。
- はさみの使い方やのりの使い方を再度子どもに確認して伝える。
- お絵描きの時には「昨日の散歩楽しかったね」「葉っぱがたくさんあったね」など昨日の楽しかったことが思い出せるような言葉かけをする。
家庭との連携
- 送迎時や連絡帳で家庭での子どもの様子を聞く。
- 保護者の気持ちに寄り添って信頼関係を築いていく。
- 子どもの成長にあったおもちゃや絵本などを紹介する。
- 感染症が流行る時期には、密に健康状態について連絡を取り合う。
- 一日の正しい生活リズムの大切さを伝え、子どもが安定して生活や遊びができるようにする。
- 子どもが自分でしようとする気持ちを大切にしてかかわってあげるように伝える。
参考になりましたら、周囲の方にも広めていただけると励みになります。
他にも、製作遊びやおたより文例などの記事を掲載しているので参考にしてみてください。
【まとめ】保育園・幼稚園で使える3歳児向けの製作あそび
【まとめ】保育に使える製作遊び・手作りおもちゃの作り方
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