2歳児5月の月案の書き方や見本〜思いを受け止めてもらい安心して過ごす〜

ほいくびより編集長まなしば

2歳児5月の月案の書き方や見本〜思いを受け止めてもらい安心して過ごす〜

5月の2歳児は、園生活に慣れて戸外で体を動かすことを楽しみ、保育者や友達の名前を呼ぶ姿も増えてきます。自分でやりたい気持ちが強くなる一方、思いがぶつかってトラブルになることもあり、連休明けは甘えや不安が戻る子もいます。

この月の月案では、連休明けの気持ちの揺れを受け止めながら、「自分でしたい」を支える環境を書くことが要点です。遊具の使い方と安全確認、友達との間に立つ保育者の援助を具体的に書きましょう。

保育園で使える、2歳児の5月の月案(指導計画)の書き方や見本の記入例を紹介します。

ねらい、前月の子どもの姿、養護と教育の内容、環境と配慮・援助、食育、家庭との連携や職員との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。

保育の指導計画作成にお役立てください。

ねらい

  • 思いを受け止めてもらいながら安心して過ごせるようにする。
  • 生活の流れがわかり、身の回りのことを自分でしようという気持ちを持つ。
  • 戸外で十分に体を動かして遊ぶ。
  • 保育者や友達との関わりを楽しむ。
  • 季節ならではの自然との関わりやあそびを楽しむ。

前月の子どもの姿

  • 新しい環境での不安から保育者に甘えることが多かったが、慣れてからは落ち着いて過ごせるようになってきた。
  • 保育者に誘われるとトイレへ行き、便座に座って排泄しようとする。
  • 友達と関わって遊ぶが、思いがぶつかりトラブルになることがある。
  • 草花に興味を持ち、喜んで花を摘んで遊んでいる。
  • 保育者や友達の名前を覚え、呼びかける姿が見られる。
  • 体操や手あそび、歌を楽しんでいる。

内容

養護

  • 保育者に欲求や思いを受け止めてもらい安定した情緒で過ごす。
  • ゆったりとした時間のなかで無理なく過ごし、少しずつ連休前の生活リズムに戻せるようにする。
  • 保育者の見守りのもと、衣服の着脱や自分の物の片付けをしようとする。
  • 身の回りのことを自分でやろうとする姿を十分認められることで、「やってみよう」という意欲を高める。
  • 発達に応じてパンツで過ごし、排泄する感覚に気付けるようにする。

教育

  • 戸外あそびでは、遊具や道具を使ったさまざまなあそびに興味を持ち挑戦する。
  • ごっこあそびやコーナーあそびを楽しむなかで、友達と一緒に遊ぶ楽しさを感じる。
  • 友達との関わりのなかで保育者が仲立ちすることで順番がわかり、待つことを知る。
  • 園庭探索や散歩に行き、草花や虫に興味を持ち、見たり触れたりすることを楽しむ。
  • 製作活動を通して季節の行事があることを知る。
  • 保育者や友達と、挨拶や簡単な会話をしてコミュニケーションを取ることを楽しむ。
  • 音楽に合わせてのびのびと体を動かすことの楽しさや気持ちよさを感じる。

環境構成と配慮

養護

  • 連休明けの不安な気持ちを受け止め、落ち着いて過ごせる雰囲気作りをする。
  • ひとりひとりの健康状態を把握し、様子に応じて休息を多めに取るなどの配慮をする。
  • 気温室温に留意し、こまめに換気を行う。
  • トイレや手洗い場を清潔に保ち、衛生面に配慮する。
  • 個人の排泄の感覚を把握し、タイミングよくトイレに誘う。
  • トイレで排泄ができたら十分に褒めて自信ややる気に繋げていく。
  • 身の回りのことを自分でできた満足感が味わえるよう、保育者は見守りながらさりげなく手伝う。

教育

  • 戸外の遊具や固定遊具の安全点検を行う。
  • 思い切り体を動かして遊べるように、安全なスペースを十分確保しておく。
  • 滑り台やブランコ、三輪車などで遊ぶ際は保育者がそばで見守り、使い方を知らせることで安心して挑戦できるようにする。
  • 玩具は発達や興味に合わせたものを選び、取り合いにならないよう複数用意しておく。
  • 玩具の取り合いが見られる際は保育者が間に入り、ルールや順番があることを知らせて仲よく遊べるようにする。
  • 散歩に出掛ける際は、コースの安全面や自然と関われる場所を選んで確認しておく。
  • 子どもが草花や虫を見つけて楽しめるように、ゆっくりと歩きながら探索する。
  • 戸外あそびや散歩では、子どもの気付きに十分共感し応えていく。
  • 草花を使ったあそびを用意し、楽しめるようにする。
  • 行事に向けての製作をする時は、導入を大切にして絵本や紙芝居でどんな行事かわかりやすく知らせる。
  • 子どもと挨拶や会話を交わす時は笑顔でゆっくりと行う。
  • 絵本の読み聞かせを通して興味を持ち、使う言葉の幅が広がるようにする。
  • 1対1で触れ合いあそびを楽しみ、ゆったりと関わる時間を大切にする。

食育

  • 楽しい雰囲気のなかで意欲的に食事を楽しむ。
  • 食事の準備や挨拶など食生活に必要なことがわかり、自分でしようとする。
  • 保育者や友達と食を通して会話を楽しむ。
  • 食前の手洗いうがい、挨拶を率先して行う。
  • 自分で進んで食べられるように優しく促し、食べられたときは満足感を味わえるように声を掛ける。
  • 「食事の前にすることは何かな?」と声を掛け、手洗いうがいを促していく。

家庭との連携

  • 連休明けは体調を崩しやすいため、送迎時や連絡帳を通して園と家庭での健康状態を細かく伝え合う。
  • 気温の変化が激しく、戸外での活動も活発になるため、半袖や長袖の着替えを多めに用意してもらう。

職員との連携

  • 子ども達の居場所がわかるように、保育者同士で声を掛け合いながら見守る。
  • 遊具や固定遊具で遊ぶ際は、保育者がそばで見守りすぐに手を差し伸べられるように十分注意して見守る。
  • アレルギーのある子どもは事前に栄養士と打ち合わせをする。

評価・反省

  • 連休明けは気持ちが不安定な子が多かったが、個々でゆったりと関わることで落ち着いて過ごせるようになった。
  • 今月は戸外で過ごす時間がたくさんあり、子ども達の活動もどんどん活発になってきている。保育者自身も一緒に楽しみながら、あそびの幅を広げていけるように援助していきたい。
  • 友達同士の関わりのなかで、玩具の取り合いでトラブルになることがあった。「かして」「いいよ」の言葉のやり取りや順番に遊ぶことをくり返し伝え、仲よく遊べるように仲立ちしていきたい。

2歳児5月の月案を5領域で書く

保育所保育指針(平成29年告示)の5領域に、5月の活動を当てはめると次のようになります。

  • 健康:遊具や三輪車で様々な動きをしようとする姿、着脱や排泄を自分でしてみようとする気持ちを書きます。
  • 人間関係:友達への関心が高まり、順番があることや生活のきまりに気付く姿を書きます。
  • 環境:草花や虫を見つけ、発見を楽しんだり考えたりする姿を書きます。
  • 言葉:挨拶や簡単な会話、ごっこあそびのなかでの言葉のやり取りを書きます。
  • 表現:こいのぼりなどの製作や、音楽に合わせて体を動かす姿を書きます。

指針は、この時期を自我が形成され、子どもが自分の感情や気持ちに気付くようになる重要な時期としています。取り合いや「イヤ」の場面も、止めることだけを書くのではなく、情緒の安定を図りながら自発的な活動を尊重する援助として書くと、指針の考え方に沿った計画になります。指針は次期改定の検討が国の審議会で進んでいるので、様式の見直しの際は最新の告示を確認してください。

5月のねらいの文例

養護

  • 連休明けの不安な気持ちを受け止めてもらい、安定した気持ちで過ごせるようにする。
  • 一人ひとりの体調に合わせて休息を取り、無理なく生活リズムを取り戻せるようにする。

5領域

  • 健康:戸外で走る、登る、くぐるなど、全身を使った遊びを楽しむ。
  • 健康:衣服の着脱や片付けを、自分でしてみようとする。
  • 人間関係:保育者の仲立ちで、順番があることを知り、友達と一緒に遊ぶ。
  • 環境:草花や虫に興味を持ち、見たり触れたりして発見を楽しむ。
  • 言葉:挨拶や簡単な言葉で、保育者や友達とのやり取りを楽しむ。
  • 表現:歌や体操、製作を通して、自分なりに表現することを楽しむ。

5月に月案へ入れておきたい安全と健康の配慮

初夏の暑さ:気温が急に上がる日があるため、暑さに慣れていない時期の配慮を書きます。こども家庭庁などの事務連絡(令和8年5月28日)は、暑くなる前から体を暑さに徐々に慣らす暑熱順化を適切に取り入れること、体を動かす前に水分をとること、帽子で日差しを遮ること、通気性のよい服を着ることを挙げています。体調がいつもと違うときの伝え方は発達段階によってさまざまであるため、2歳児は様子を保育者が見ることを前提に書きます。

行事食の誤嚥:食材整理表(こども家庭庁の事務連絡で周知された資料)では、もちと白玉団子は使用を避ける食材とされています。こどもの日の行事食を計画するときは、栄養士や調理員と形状を確認します。こども家庭庁は、普段食べている食材でも窒息につながる可能性があるとしています。「自分で進んで食べる」を内容に書くときは、一度に詰め込まない、飲み込んだことを確認する、正しく座っているか注意するといった見守りも配慮に添えます。

固定遊具:見本の「遊具の安全点検」「すぐに手を差し伸べられるよう見守る」に加え、遊具ごとに保育者の立つ位置を決めておくと、職員間で共有しやすくなります。

遊びの中の小さな物:事故防止ガイドラインは、ビー玉や石、髪ゴムの飾りなどを子どもが身につけている場合があるとして、除去について保護者を含めた協力を求めるよう示しています。砂場や花摘みのあとは、ポケットの中も確認します。

感染症:感染症対策ガイドラインでは、手足口病とヘルパンギーナは春から夏にかけて流行するとされています。手足口病の登園のめやすは「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」です。回復後も便からウイルスが排出されるので、排泄後の手洗いを保育者が見届けます。

5月の保護者連携の例

  • 連休中の過ごし方や体調を聞き取り、登園後の過ごし方を調整する。
  • 「自分で」の姿や友達とのやり取りを具体的に伝え、家庭での関わりと揃える。
  • 排泄の進み具合を共有し、パンツで過ごす時間の増やし方を相談する。
  • 帽子と半袖、長袖の着替えを用意してもらう。

月案の書き方でつまずきやすい点

  • トラブルを「仲よく遊べるように」でまとめてしまう:取り合いのときに「かして」を代弁する、玩具の数を増やすなど、具体的な援助を書きます。
  • 自分でやる姿の援助が抜ける:できない部分をさりげなく手伝い、最後の一歩を子どもに任せるなど、手の出し方を書きます。
  • 排泄を一律の進度で書く:発達に応じてパンツで過ごす子と、おむつの子がいることを踏まえて、個別に書きます。
  • 製作が保育者主導になる:出来上がりより、素材に触れる過程をねらいに書くと、2歳児に合った内容になります。

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