保育園や幼稚園で使える、0歳児の年間指導計画の書き方や見本の記入例を紹介します。
保育目標や保育のねらい、月齢別の子どもの姿、保育者の関わりと配慮、家庭との連携などについて、テンプレートとともに紹介しています。
保育の年間指導計画作成にお役立てください。
パッと読むための見出し
保育目標
- 一人ひとりの生活リズムを大切にして気持ちよく過ごせるように配慮する。
- 感覚器官を発達させて(見る、聞く、触れるなど)いろいろな遊びが楽しめるようにする。
- 自分の思いを言葉や身振りで表現して、伝え合う喜びを感じられるようにする。
- 一人ひとりの気持ちを受け止めてかかわるなかで、信頼関係を築いていく。
- 身の周りに対する興味や好奇心を芽生えさせる。
保育のねらい
- 園の環境や生活になじむようにする。
- 子どもの家庭での様子を保護者と連絡を取り合って把握する。
- それぞれの子どもの状態に合わせて手遊びや体操をおこなう。
- 室温や湿度に気を付けながら、衣類の調整や水分補給をおこない健康管理をする。
- 一人ひとりの体調を確認したうえで、沐浴や水遊びをおこなう。
- 好きな遊びを十分に楽しむ。
- はいはい、つかまり立ち、伝い歩きなどで身体を活発に動かす。
- 子どもの欲求を受け入れながら身近なものへの関心や遊びを広げていく。
- 歩行での探索活動を十分に楽しむ。
- 散歩や戸外遊びなどで、自然にふれあえるようにしていく。
- 薄着を心がけて健康な身体作りを目指す。
- 子どもの気持ちやしぐさに合った言葉がけをおこなう。
- 大人や友達との関わりを多くもてるようにする。
- 自分でしようとする気持ちを受け止め、援助を繰り返しながら生活習慣への意欲を高めていく。
- 子ども同士がふれあって遊べるように仲立ちをする。
- 言葉や指さしで自分の思いを伝えようとする子どもの気持ちに寄りそい、自分を表現する喜びを膨らませていく。
子どもの姿(月齢別)
6ヶ月未満
- 眠ってばかりいる生活からだんだんと起きる時間が長くなりリズムのある生活になってくる。
- 首がすわり頭を持ち上げることができるようになる。
- 不快な気持ちになると泣いて感情を表すようになる。
- 機嫌の良いときは微笑んだり足を動かしたり喃語を発したりする。
- 音や声のするほうに顔を向ける。
- 目の前にあるものを動かすと目で追う。
- 離乳食が始まり、ミルク以外のものも食べられるようになる。
- 授乳、睡眠、排せつなどのリズムが少しずつ整ってくる。
- 寝返りができるようになる。
- おもちゃを握ったり、手渡されたものを両手で取ろうとする。
- あやされると声を出して応える。
- 手形をとるときに保育者につけてもらう絵の具の感触を楽しむ。
- 絵の具についた手に興味をもち、口に持っていこうとする。
6か月~12か月
- 舌でつぶせるようなかたさのものが食べられるようになる。
- 自分で手をだして食べ物をつかみ、口に持っていく。
- 手足で身体を支えてお座りができるようになる。
- 支えながら立たせると、足を屈伸させる。
- 「ブーブー」「マンマンマン」などの喃語が出る。
- 人見知りが始まり、好きな大人の後追いをしたりする。
- 睡眠は日中2回程になり、生活リズムが安定してくる。
- ハイハイ、お座り、伝い歩きなどさまざまな動きが活発になる。
- 両手にものを持って打ちならしてみたり、指先で小さなものをつかむ。
- 自分の欲求を指さしで表現する。
- 「ちょうだい」「ねんね」など簡単な言葉を理解できるようになる。
- 絵の具がついた手や指を画用紙にこすりつける。
12か月~1歳半
- 離乳食から幼児食へと移行する。自分でスプーンで食べようとする。
- 生活リズムが整い、日中1度の昼寝のみになってくる。
- 歩き始めるようになり、登る、降りる、押すなどの遊びを繰り返し楽しむ。
- 好きな遊具を見付け、音を鳴らしたり動かしたりして遊ぶ。
- 着替えさせてもらいながらも、自分で身体を動かし手伝おうとする。
- 手遊びを喜び、歌も一緒に歌おうとする。
- 「ママ」「チョウダイ」など一語文が出始める。
- 知っているものを見つけると指さして伝えようとする。
- 自我が芽生え始めるため、自分の気持ちが大人と違っていたときに抵抗をし始める。
- 保育者と一緒にクレヨンを持ちながら、画用紙になぐりがきをする。
1歳半~2歳未満
- 自分でスプーンを持ち、こぼしながらも食べようとする。
- 決まった時間に排泄するように教えると自分でおまるに座るようになる。
- 階段を一段ずつ足をそろえて登る。
- 友達と隣で遊ぶようになるがまた要求のぶつかり合いが多い。
- 「〇〇はどれ?」と聞くと指さして教えてくれるようになる。
- 擬音語や擬態語を使った絵本を読んであげると喜んで聞く。
- 身振りや二語文を使い自分の気持ちを伝えようとする。
- 自分の作品が完成しても何度も絵の具やクレヨンを使った製作をしたがる。
- 好きな色のクレヨンを自分で持ち、画用紙になぐりがきをする。
保育者のかかわりと配慮(月齢別)
6ヶ月未満
- 家庭での子どもの過ごし方を聞きながら、園でもなるべく同じようにして馴染めるようにする。
- ミルクをあげるときは子どもの目を見て優しく話しかけてゆったりとした気持ちでおこなう。
- おむつ交換をするときは優しく言葉をかけながら、キレイになった気持ちよさを感じられるようにする。
- 音の出るおもちゃや声掛けをしながら徐々に腹ばいに慣れさせる。
- 一人ひとりの生活リズムに合った環境をつくる。
- 保育者との連携を密にとり、子どもの様子を互いに把握できるようにする。
- 子どもに優しく話しかけたりあやしたりして、喃語をはぐくむようにする。
- 身体全体を使って戸外で自由に遊ぶ楽しさを味わえるようにする。
- 製作をおこなうときは、落ち着いた雰囲気の中できるように時間や環境に配慮する。
- 製作では子どもが興味を持ちそうな色を用意しておく。
6か月~12か月
- 離乳食は舌や歯茎でつぶせる固さのものを用意する。「モグモグしようね」と声をかけたり実際にモグモグしている姿を見せたりする。
- 手の動きが活発になってくるので、握ったり持ちかえたりできるおもちゃや遊びを用意する。
- 段差や斜面があるところで十分にハイハイができるようにする。
- 子どもの欲求や甘えや不満を受け入れて、信頼関係をつくっていく。
- 日中の活動を充実させて、静かな部屋でゆっくり午睡できるようにする。(正しい生活リズムをつける)
- 追いかけっこや競争をしながら移動運動が楽しめるようにする。少しずつ友達との交流も深めていき一緒に遊ぶ楽しさを教えていく。
- 製作を始める前に、まず保育者がお手本を見せる。
- 製作では「この色もきれいだね」「次はどうしようか」など楽しく声掛けをおこなう。
12か月~1歳半
- まだ一人ではキレイに食べられないが、自分で食べたいという気持ちを大事にして手伝う。
- 一人歩きが多くなるので、怪我しないように保育の環境を整える。
- 絵本や手遊びや歌を通じてみんなで一緒におこなう楽しさを伝えていく。
- 製作では子どもが使いやすいクレヨンを用意する
- ちぎり遊びや小麦粉粘土など手先や指先を使う遊びも取り入れる。
1歳半~2歳未満
- 食欲のムラや好き嫌いが出てくる頃だが一人ひとりに合わせて無理強いさせないようにしていく。食事の楽しさを味わえるようにする。
- オマルで排泄できたときは褒めてあげて、自分でできた喜びを共感しあう。
- 走ったり登ったりいろいろな動きを楽しめるようにする。
- 自分一人で何でもしたい気持ちが生まれてくるので、気持ちを受け止めながら援助する。
- クレヨンや絵の具での製作をもっとやりたいという子どものために余分に材料を用意しておく
家庭との連携
- 送迎時や連絡帳で家庭での子どもの様子を聞く。
- 保護者の気持ちに寄り添って信頼関係を築いていく。
- 離乳食を始めるときは保護者とよく話し子どもの体調を見ながら無理なくすすめていく。(アレルギーについても話す)
- 子どもの成長にあったおもちゃや絵本などを紹介する。
- 感染症がはやる時期には密に健康状態について連絡を取り合う。
- わらべ歌や手遊びなど簡単なふれあい遊びを紹介して、家でも子どもと一緒に楽しめるようにする。
- 一日の正しい生活リズムの大切さを伝え子どもが安定して生活や遊びができるようにする。
- 子どもが自分でしようとする気持ちを大切にしてかかわってあげるように伝える。
参考になりましたら、周囲の方にも広めていただけると励みになります。
他にも、製作遊びやおたより文例などの記事を掲載しているので参考にしてみてください。
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